第5話 ギャルと買い物と

「つー訳で家政部よーやくちゃんと部になってー…あとイッチー入部おめのかんぱーい!」


『かんぱーい!』


「ってもー少し纏めろし真白〜」


「まー何でも良いっしょ?」


「すいませんわざわざ」


 先にお昼って事で、モール内のバイキング…ビュッフェ?かな。で腹ごしらえ。


 ランチ千円で色々食べ放題だから高校生にはありがたいね。


「良いんだよ。壱正入ってねーとこうやって出来なかったんだから」


「ホントありがとな〜」


「今日はあーしらの奢り!…に出来る程金ねーけどいっぱい食えよイッチー!」


「はい!」


 って意気込んではいるけど、皆結構なボリュームでもう盛ってあるなぁ。


 唐揚げにグラタンにパスタにハンバーグ。

 麻婆豆腐に焼きそばに餃子に春巻き。

 天ぷらにお寿司に茶碗蒸し。

 和洋中全部取って所狭しと並んでて。


「あーマシロ醤油取って」


「ヒナの方がちけーし、つかあーしのマーボーのレンゲ手元に置くなー」


「…コイツら結構食うだろ?」


「ちょっと…意外でした」


「普段は材料費に当ててっから、昼メシは抑えめなんよ。だからこういう時は全力。ウケるっしょ」


「でも楽しいです。こうやってワイワイ食べるの、とっても久しぶりなので」


「っ……そっか。んじゃ壱正も沢山食べろ!早くしないとミニトマトだけ置いとくぞ〜!」


「それは困るので頑張りま〜す!」







「あー食った食った〜お昼寝すっか〜」


「ヒーナ何しに来てんだよ…」


「イッチーどっか行きてートコある?ってまだわかんねーか」


「はい…やっぱり雑貨屋さんとかが良いんですかね?」


 食べ終わって、ショッピングモールの中をぶらぶら歩く。


 前に住んでた所はお店毎に店舗が個別にある所だったから、こうやって大型商業施設の中を歩くのも結構新鮮だなぁ。


「んー、まぁ要は一番最初に決めんのは外観?つか全体のフンイキが良い訳なんだろな」


「このちっちぇー…一角がウチらのか〜」


 裕美子さんが取り出した薄い小冊子。


 それまでの展覧会のイメージが乗ってて、いわゆるミニテントにデコレーションした出店でそれぞれ個性を出してる感じだった。


 行った事無いけど、ネットで見るライブとかの物販?の感じにちょっと似てるかな。


「カワイくてー、カッコいいのがいーべ」


「そうですね。見た目のインパクトは大事ですよね」


「じゃあカラーイメージだな〜何色にすん?」


『…』


 皆一瞬だけ沈黙する。でも直ぐに言葉が出た


『黒と白だな』


「あっ」


 ギャルの皆さんはやっぱりそこに落ち着くんですね…。


「んじゃどうすっか?とりあえずバラけるっしょ?」


「壱正はどうすんだよ?」


「あ、えっと…そうですね。出来れば皆さんのイメージをもっと知りたいです」


 その上で、ステッカーのデザインが思い浮かぶ事もあるだろうし…。


「じゃあ、いっくん全員と同伴って事で〜、よろ」


「へっ?」




「じゃー先ずあーしからな!」


「よ、よろしくお願いします!」


 てな訳で姫奈さんの提案もあって、皆と一人ずつ、それぞれの買い物を一緒させてもらう事になった僕。


 真白さんと二人きりで話すのも初めてだから、ちょっと緊張するね…。


「固くなんなってイッチー。いや、あーし相手じゃカタくなってもしゃーねーけど」


「?」


 ど、どういう意味だろう…えっと…多分真白さんの事だからエッチな意味なんだろうな…。


「…ゴメンゴメン。やっぱイッチーピュアでカワイーわ。あっちの生地屋見てこーぜ!」


「はい!」


 真白さんが案内してくれたのは大きな筒状に丸まった生地が沢山並んでるお店だ。


 基本色から柄物まで色とりどりに並んでる。


「お!この柄いーな!最近入ったんかなー」


「真白さんは生地から服を作る様になって結構経つんですか?」


「おーんそうだな…小五?からだから…結構だな!」


「凄いですね」


 アバウトだけど、確か家庭科の授業って本格的に始まるのが小学五年生からだから、ずっと手作りしてるって事か…。


「確かねー、ナップザックかなんかだったんだけどー、家庭科の担当のセンセーがさー、どう見てもヨレヨレな作り方なのに、教科書に書いてあんソレ通り作れってうっさくてさー、そんでもーいーやイチからあーし作ろ!ってなって!その次のエプロンから完全ハンドメイドってなった訳よ!」


 じゃん!って感じでそのエプロンの写真をスマホから見せてくれる真白さん。


 凄い…かなり細かなフリルが波波とあしらってあって、とても小学生とは思えない細やかさだ…。


「アンミラの制服っぽいエプロンでねー、でももっとギャルっぽくイケイケな感じにしたんよ!ほらココスリットがカッケーっしょ?」


「ホントだかなり深い切れ込みがシュパッって入ってますね」


「このチラ見せ生脚がキモなんだぜーふふん!」


 腕を組んで凄いドヤ顔で自信満々な真白さん。


 胸を張ってるから、おっぱいも凄く迫力あるなぁ。


 だけど自分がカッコいいと思ったモノは絶対に完成させようっていう気概をとても感じた。


 真白さんに任せれば、きっとカッコいいイベントTシャツが出来る筈だ。


「あっおじさーん!このマットブラックの生地四メートルねー!コッチのシャンパンゴールドは三・五おなしゃーす!」


「へぇっ!?」


「だいじょーぶ大丈夫!そんなんあっという間だから!イッチー一緒に運ぶのよろー!」


「は、はーい!」


 カッコイイし…ド派手なのが出来そうで楽しみだね。







「さーいっくんイチャイチャラブラブちゅっちゅデートしまちょ」


「ひ、姫奈さん!?」


「気にしない気にしな〜い」


 と言っても思い切り腕を組んでるのだけれど…。


 真白さんと交代して、次は姫奈さんと手芸屋さんを巡る。


 生地屋さんの迫力あるラインナップの風景とはまた違った、無数っていうぐらい沢山の小物、小道具が所狭しと並んでる所だ。


「いや〜こういう風なのやってみたかったんよ〜」


「そうなんですか…僕で良ければ…どうぞ」


「あんがとな〜いっくん。いっくん優しくてすきー」


「僕なんかで優しいですか…ね?」


「自信持ちな〜。いっくんは〜良い男だぞ〜ちょっと女タラシでシャアっぽいけどね〜」


 相変わらずガンダムの事はよく分かってないけど、とりあえず一番有名なキャラクターのシャアは女の人をよく誑かすんだね…覚えちゃった。


「ウチいっつもこんなノリでしょ〜女子からはウザがられるし〜、男子からはアホでユルそーな手頃女だと思われてるフシあっからさ〜」


「…あんなに集中した顔で細かな作業を精密に行える姫奈さんが…ですか?」


 でもそれは僕が見た事あるからで、外面からしか知らない他の人達は、確かにそこまで思い浮かばないのかもしれない。


 ううん。僕だってもしこのまま関わり合いにならなかったら…って思ったら、決して他人事では無い事だったんだろうな。


「ウチほらすっとろいっぽい思われてるトコあるし〜、小学校はもち、中学も途中までは鈍臭女扱いでね〜、筆箱とか髪留めとか〜、小物系他の子と被っと、マネすんなとかパクんなとか言われてた訳よ〜」


「…」


 真白さんも姫奈さんも、何時も元気で明るいけど、だからってずっとそうだったって訳じゃなくて。


 それでも今こうやって明るく元気に居られる…居ようとできる強い女の子達なんだな。


「…わりシリアス勘弁よな〜。でも別に〜パクってねーし?真似する気もさらさらねーのに?なーんでそんなん言われなきゃだし?って思ったらさ〜、んじゃもーウチだけのモン作るしかねーべ?ってなったんよ〜」


「そうすれば…誰にも何も文句は言わせませんものね」


「そ!さすがいっくんよーわかってるわ〜すき〜」


「あはは…」


 褒めてくれるのは嬉しいんですけど、ピッタリおっぱいの谷間の所に僕の腕を挟むのは止めて欲しいというか…凄い…やっぱり爆乳のおっぱいの谷間ってとってもほっかほかなんだなぁ…。


「だから、ウチも他の出店と全然被んね〜雑貨、沢山作んね?」


「はい。楽しみです!」



「王の帰還である〜」


「姫奈なげーし、壱正疲れてないか?」


「大丈夫ですよ?楽しかったですし」


「ふーん…」


 あれ…裕美子さんを気遣わせまいと思って言ったんだけど、ちょっと不服だったかな?


 女の子の気持ちは中々難しい…ね。


「んでとりま裕美子は何出すん?」


「えっ?アタシ?」


「だってあーしとヒナは今イッチーと周ってきても、つまるトコ、学校でのエンチョー?みてーなもんだし、裕美子が作る料理がキモっしょ?」


「別にアタシのメインにする訳じゃねーケド…うーん…」


 悩む裕美子さん。


 お昼のお弁当もだし、部活の時の飾り切りもだけど、何でも料理は器用にこなせる人だと思うから、何を出しても美味しいとは思うけど…。


「とりあえず…僕達も一緒に見て回り…ませんか?」


「っ…ん…いいよ」


 やっぱり、それが手っ取り早いしね。


ーーーーーーーー


「悪いなー…壱正」


「気を落とさないで下さい!僕も頑張って考えますから!」


 あの二人の余計すぎるお節介に巻き込まれて、壱正と二人、あちこち見て回る事にした。


 しかしまぁ…提案した本人の割に、案の定壱正は二人にされたホントの意味自体は、よくわかって無いみたいだけど。


「(なら…シンプルに料理の事だけ考えられるかな)とりあえずアッチ行っていいか?」


「ハイ!」





「うわあ…凄い。調理器具一杯ですね!」


「ん。デカくて結構良い店なんだ。ウチの父ちゃんも使ってる…」


「?裕美子さんのお父さんは料理人さんなんですか?」


「ああそっか…言ってなかったよな。アタシ、実家が和食割烹なんだ。つっても半分居酒屋みたいなモンだけど」


「だから裕美子さんのご飯は凄く美味しいんですね」


「っ…それは、知らねーけど」


 コッチしっかり見て笑顔でそんな事言う壱正。


 ていうか、アタシ自身実家が飲食店なのを他人に堂々と言うの、初めてかもしれない。


 料理屋で、その娘で、こんな感じの見た目って言うと、どうしても色眼鏡で見られて来たから。


 それでも素直に言えたってのは…やっぱり壱正のこと、信じてる…のかな。


 絶対…物珍しい目で、見ないって。


「でもココに入った時から裕美子さんの目がキラキラしてますから、普段の道具も使われるのが嬉しいのかもしれませんね」


「そんなん知らないし…まー確かに、道具は大事に扱ってる。それで一つ一つ使いこなせる様になったら、また新しいの使いこなせる様に、練習するんだ」


「あっ、僕も全然年季違い過ぎますけど、バイク乗る様になって、そういう気持ちが芽生えて来てます」


「壱正ならモロそういう感じだもんな」


「そ、そうですか?」


「うん」


 自分で見つけたモノ、一つ一つ大事にするタイプだなって、凄いわかりやすいから。


 昨日のだって、多分壱正なりにアタシ等の事守ろうとしてくれたんだよな。


 出会ったばっかりなのに、あんなに威勢張ってさ。


 壱正に大事にされたら…幸せなんだろう…な。


「(それが…モノだけじゃなくて、人…でも…なんて)」


「あの、裕美子さん」


「ん?」


「もし…良かったらなんですけど、裕美子さんが料理をしようと思った理由を、聞かせてもらっても良いです…か?実は二人にも教えてもらって、そしたら良いステッカーのアイデアになるかなって」


「!…い、いいよ?」


 ちょっと急に来た質問に、面食らうアタシ。

 だけどアタシの事を自分から知ろうとしてくれてる壱正に、ちょっと胸が高鳴っちゃったのが分かった。


 落ち着けアタシ。ゆっくり…ゆっくり話せば良いだけだから…。


「ウチ、早めに母ちゃん死んじゃってさ」


「!そうなんですね…僕も…父さんは物心つく前に…です」


「そっか…壱正も大変だな」


「いえいえ!料理を頑張る裕美子さんのが凄いですよ!」


「ありがと。まぁ確かに?一人で頑張る父ちゃんの姿見て、アタシも早くいっちょ前の料理人になりたいって思いもあって、頑張ってんだけど…やっぱ一番はシンプルに、作ったモノ美味しいって言って貰えた時が、嬉しいからなんだろなーって…」


 今までもばあちゃんやお客さん、あとホントに時々父ちゃんにそう言われて嬉しかった時はあった。


 それが凄くモチベーションになってた事も。


 でも…この間のお昼。

 あの時、重箱に詰めたお弁当、一つ一つ…全部美味しそうに食べる壱正を見て、今までで一番美味しそうにアタシの料理を食べてくれる人だなって、思っちゃった…んだよな。


「…裕美子さん?」


「?…!お、おいちけぇよ…」


 そんなジッと見つめんなって…てかまつエクも付けてねぇのに睫毛長いな壱正…。


 眼も…透んで綺麗だし…。


「すみません急にボーッとしてたので…具合悪くなっちゃったのかなと…」


「あぁ…悪い。元気だから心配しなくていいかんな」


「わかりました!」


 ニコニコまた笑って、可愛い顔で至近距離で見るな…。


 熱無いのに、ほっぺめっちゃあっちぃんだよ…もう…。


「ちなみに、出す料理はやっぱり和食にするんですか?」


「あっ…ああ…うーん、でも姫奈や真白は洋裁で、カジュアルな感じだからなー…もっと食べ易そーな感じが良いのかな?」


「出店ですしね…なるべくコンパクトで…歩きながら食べられるモノ…おにぎり…は、流石に安直ですよね…」


 目線動かしながら、色々考えてるっぽい壱正。


 自分の事じゃないのに、自分の事みたく考えてる。


 そういうのが、初めて会った時にも現れてたんだろうな。

 



 あの時の、一瞬目が合った時。


 引ったくりに会って、泣きそうだったアタシに壱正が、ヘルメット越しだけど、絶対取り返してやるって目で見てくれた事を覚えてる。


 自分のとか他人のとか関係無く、悲しい思いさせたくないって、そんな目。


「…あの、裕美子さんは何が良いと思いますか?」


「っ!あ、アタシ?そだな…どうすっかな…」


 って何また意識飛ばしてんだし…つか、またそんなジッてこっち見んな壱正近い…。


 時々距離感バグってるよなコイツ…顔あちーんだけど…。


「別に和食に拘る必要も無いだろうけど…うーんファーストフード的なヤツが良い訳だよな?」


「ハンバーガーとかサンドイッチはどうでしょう?」


「パンってコスト結構掛かるんだよ。最近小麦たけーし」


「そうなんですね!流石割烹屋さんの娘さんです!」


 そんなにキラキラした目で感心すんな…。


 直ぐに人の事褒めるし、お人好しなんだからさ…。


「このナリで娘さんなんてタチじゃねーし、まぁでもそうだな…あ、ライスバーガーでもやるか。かき揚げとか挟んで」


「良いですねそれ!なんかもう食べたくなってきました。あははは…」


「さっき食ったばっかだろバカ…」


 なんて言っても、ついアタシも笑っちゃう。


 隣を歩く男と一緒に笑って買い物してるって、もしかしたら側から見たら…付き合ってるっぽく…見えるのか…な?


「じゃああの、かき揚げタワーを揚げる器具が要りますね!」


「あんなの挟めねーじゃん…いやインパクトはあるか…?」


「ハイ!」


 ハイじゃねーよ…ふふっ。



「うぇーいカノジョ〜ウチらと遊ぼーぜうぇ〜い」


「姫奈重い」


「イッチーはもう、あーしらのおっぱい重く無いべ?」


「すみません重さについてはノーコメントで…」


 三十分くらいして、漸く姫奈と真白と合流。


 さっき壱正に付き合って貰ってんのに、新しく結構買い込んでんし…。


「もう決まったん?」


「んー。大体こんなモンかなーっての片っ端からね〜」


「イッチーまた良い生地あってさー!大分買っちった!」


「大荷物じゃんよ…ウケるな」


「今から完成が楽しみですね」


 壱正も興味津々だな。


 何にでも食い付いてくれるのはコイツの良い所だけど、特別扱いではないってのは、ちょっとヤキモチ妬いたりは…する。


「しっかしアタマ使ったら甘いモノ食いたくならね?」


「それな〜キューケイすんべ」


ーーーーーーーーーー


「ん〜♪うまっ」


「この生クリームの暴力が堪んねぇのよ」


 買い物終わりに一息吐くのにフードコートでクレープ。


 って言っても食べてるのは三人なんだけどね。僕はジュースだ。


 さっき沢山バイキングで食べたけど、やっぱ女の子は甘い物は別腹なんだね。


「あーイッチーコイツら食うなーって顔で見てんぞ裕美子〜」


「えぇっ!?」


「壱正…食べたいのか?」


「いやいや!僕はまだお腹いっぱいですから!」


「ま〜その内慣らしてきな〜いっくん。ウチらはさ〜爆乳キープの為に必要なカロリーだから…おっと」


 なんて事言いながら、おっぱいの上にちょっと生クリーム落としちゃう姫奈さん。


 テーブルじゃなくておっぱいがクッション

になるのが、やっぱり凄いおっぱいなんだなぁって感心してしまう。

 というか…。


「そういえばその…今更なんですが…姫奈さんと真白さんは…僕に、その、胸を触れさせるの…大丈夫なんですか?」


『…』


 思い切って聞いてみた。裕美子さんはちょっと真剣な顔だ。


 昨日の話もあるから、もう少し男性に警戒心を抱いてもおかしくない気がしてたんだけど…二人は変わらずにスキンシップしてくれる。


 だからか、二人は目を丸くして暫く固まってた…?


「なーる、漸くイッチーも疑問に思ったな」


「夢から覚めちったか〜」


「あっ、やっぱり何か理由が「ねーよ?ただイッチーは大丈夫そうだから」えっ?」


「いっくんには、乗せても危険ではないと思うからよ〜」


「あ、だからって男としちゃダメって訳じゃねーよ?」


 うーんどういう事なんだろ?男として見られて無いという訳でもないという事?


 でも変な意味なくおっぱいは乗せに来てくるというのは…???


「やっぱさー、この爆乳だと疲れる訳。ぜってー羽休めは要るワケ」


「は、ハイ」


「でも〜、他の男は乳に邪念抱くじゃ〜ん」


「イッチーは、乗せても揉まなさそうだったから乗せた訳よ」


「は、はあ…」


 うーん?やっぱりよく分からない。

 でも、多分二人もそのスタイルの良さからいろんな目に晒されてたのかもしれなくて、それでもし僕が安心出来る場所になれるのかもしれないなら、協力してあげたいな。


「…アタシは気安く乗せさせすぎだと思ってっからね」


「はい…って僕の問題ですか?」


「青戸センセにもやらせてるし壱正!」


「それは…中々逃げられないんですよ〜!」


 あんなにおっぱいに囲まれたら、身動き取れないですって裕美子さん!


「つっても裕美子もそう思ってから、許可してっ的なだから安心しろしイッチー」


「それな〜。裕美子の男にこんな柔い態度見せんの早々ねーもん」


「うるせー」


「…良かったです」


 そっか。裕美子さん…今の真白さんと姫奈さんの話と合わせても、男性から、あんまり良い思いはしてこなかったんだろうな。


 それで僕なら大丈夫って事なら…大丈夫な男子で居てあげられたら、良いな。


「つってもいっくんも男だから、揉みたい時は良いな〜」


「下乳なら良いぞー」


「???」


「はぁお前らさぁ…まぁ良いや。壱正。こんなんだけど、頑張ろうな」


「…はい!」

 


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