題4章 投稿しよう!

第21話 看板をつけよう(キャッチコピー)

 ひなとみちのとモコりんは初心者の平原にある、ひなの屋台の前に来ました。


「さあ、ここを飾り付けるわよ。クマお願いね」

「モコりんだよ」

「モコりん、早くやれ!」


 みちのはモコりんに頼みました。


「それが頼む態度⁈ まあいいや」


 モコりんが魔法で大きな布を出しました。


「さあひな。ここに宣伝文を書くよ。35文字までで、気の利いたキャッチコピーを考えて」


「キャッチコピー?」


 意味が分からないひなは、首を傾げるだけでした。


「どういうこと?」

「システムについては補助できるけど、書くことについてはボクは教えられないな」


 ひなはどうしようかと考えましたが、分からないものは分かりません。みちのに助けを求めました。


「みちのさん! お願い教えてください」

「そうねえ。ひなちゃん、周りをよく見て。ほら、あそこの看板に『たこやき』って書いてるでしょう」

「うん」

「で、むこうの管板には、『明石のタコ使用。焼き立ておいしいたこ焼きだよ!』って書いてあるよね。どっちの屋台に行きたい?」


「明石のタコ使用。焼き立ておいしいたこ焼きだよ』って書いてある方」


 みちのはひなをみてうなずきました。


「そうね。それがキャッチコピーの力なの。看板はきっちり作らないとお客さんが近づいてこないのよ。あと、看板にはりんご飴の事じゃなく小説の事を書いた方がいいわ。りんご飴は見たら分かるから」

「分かりました。考えてみます」



 いろいろ考えて


「なまいきなネコの、心温まる初恋のお話」

とすることにしました。


「いいんじゃない、分かりやすくて」

「そうですか」


 ひなは嬉しそうに言いました。


「じゃあ、何色で書く?」


 モコりんが、「まかせて」と言って色見本を出しました。


「こんなにあるの⁉」


 色見本は9色の書かれた紙が6枚。54色もあります。

 その中から、ひなはラストシーンの夕焼けの色、オレンジ色を選びました。


「これでいい? じゃあ、作るよ」


 モコりんが魔法をかけると、布の上に文字が浮かび出ました。


「すごい。あっという間にできた」


 モコりんはどや顔です。さらに魔法をかけて屋台の上部に貼りました。


「凄いすごい! これでお店は完成ね」


 ひなが喜ぶと


「「まだ完成じゃないよ」」


と、モコりんとみちのに言われました。

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