第2話:僕は君が嫌いだけどこんなことをする理由を聞きたい興味はある

「なんだって…」

エデン皇帝は橋の真下を見た。そこには無気力体、つまり死んだ魂が浮かんでいた。

「なんでこれは。まあまあな数がある」

リト執事は川へ飛び込んだ。

「エデン様、この魂何かがおかしいですね。フロストレイ」

リト執事は浮かび上がり、川に指をつけた。その瞬間、川が凍る。しかし、川を凍らせた瞬間、魂はパリパリと割れていった。

「やはり、エデン様しか壊すことの出来ない魂が壊れるのはおかしいですね」

「男児3人の持ってた魂同様、僕の作り出したものではなくなっているのか」

エデン皇帝、リト執事は共に危機感を感じていた。その時だった、スノブレインの建物が次々と爆破していく。

「リト執事、向かうよ」

エデン皇帝は冷静にリト執事を連れ向かう。しかし、スノブレイン全体は手遅れに近い状況だった。

「まずいな、何があった」

エデン皇帝が周りを見渡している時、エデン皇帝の背後に一本の矢が飛んできた。

「危ない」

エデン皇帝に飛んだ矢を剣ではじいた。エデン皇帝が目を向けると、そこには幼馴染のリュウがいた。

「エデンくん、これは危ない状況なんじゃないの」

「リュウ、喋ってる暇はない、矢を飛ばしたやつが近くにいる。」

エデン皇帝はこの状況において、目をつむる。エデン皇帝には約8000万の有力な魂を持ちつつも、112種の攻撃型魔法、3種の援護型魔法を使うことが出来る。目をつむるのは援護型魔法の1つ、エクスライド。これは敵の位置を的確に把握しつつ仲間に声を出さずに情報を与えることが出来るものである。

「リュウ、壊れかけの塔の裏」

エデン皇帝はリュウに指示をする。

「エデンくん1人でも倒せるのにね。ソウルギア、ボードブラウン」

ボードブラウン。ランクX、ボードブラウンの所有する力はなんでも持ち上げることが出来る、魂装備時の能力は自身の持つものの大きさを10倍超に出来るものである。このソウルはリュウのみしか持っていない。

「シャインソード、チェインボードブラウン」

リュウは自身の剣の魔法をかけ、魂と結合させた。リュウはエデン皇帝の言った方向に剣を投げ放った。

「エデンくん、派手に荒らしたらごめんね」

しかし、その一言は次の瞬間にして砕け散ることになった。塔に裏から人が現れ、リュウの放った剣を片手で受け止めた。

「笑っちゃうね!ソウルの力はこんなもんか」

手首を軽く回しながら、リュウの元へと近づいてくる。そいつと対面すると、リュウは足がすくんだ。

「バースト、ゴーストリア」

そいつは手をデコピンの形にし、リュウのお腹辺りに持って行く。そいつの親指と中指の先が青く光る。リュウにデコピンが放たれた。その瞬間、リュウはものすごい距離を飛ばされ、壁の残骸に当たった。リュウは受け身をとったおかげ外傷は少ないが、衝撃で意識を失う。

「誰だお前は。リュウの足がすくむほどの威圧。ただものではないな」

「俺は霊力の使い手、フルモア」

奴はフルモアと名乗るとともに、エデン皇帝に勝負を仕掛けた。

「モードチェンジ、ブレイク、ゴーストリア」

フルモアは拳を青く光らせ、エデン皇帝に殴りかかる。

「その拳にゴースト、つまり霊が宿っていると。言っておく、僕は君が嫌いだけどこんなことをする理由を聞きたい興味はある」

エデン皇帝は腕を広げた。すると、幾つもの魂が出てきた。

「君はXで十分かな。ソウルギア、ガジェット」

ガジェット。ランクX、ガジェットの所有する力はソウルギア時にのみ限り、無数の魂の欠片を放つことが出来る。このソウルのソウルギアは、エデン皇帝、リト執事しか出来ない。

「君に魂そもそもの強さを教えてあげるよ」

エデン皇帝はフルモアの攻撃をかわし、宙に浮いた。エデン皇帝は手を振りかざし、無数の魂がフルモアを襲う。

「言ってなかったけど、その魂には体が溶ける能力も含まれるよ」

フルモアは避け続けるが、エデン皇帝は放ち続けた。フルモアが油断したとき、エデン皇帝の放った魂の欠片が当たった。フルモアの腕が溶け始めた。しかし、すぐに溶けは収まり、再生した。

「俺も一つ言ってなかったことがあるな、この体は霊力の力で再生が出来る。致命的ダメージを受けない限り無傷さ」

「致命的ダメージね。僕が壊すことが出来るのは魂だけじゃないよ。ブレイクシード、チェインガジェット」

エデン皇帝は目には見えてない霊を感覚で壊しにかかった。魔法の力も込めた魂の欠片を放った。エデン皇帝の感覚は当たっていた。当たった瞬間、霊が姿を現した。

「んな馬鹿な、見えないものに当てるなんて」

次第にエデン皇帝の当てた、霊は砕け散った。

「君の企みはなんだ。教えてくれ」

「企みは知らないな。俺はボスに指示されただけだ。1つ言うのならば、お前の魂を俺らは求めているただそれだけだ」

フルモアの思考をエデン皇帝は全て読んだが、フルモアの言ったこと以外考えていない。すなわち、嘘を付いていないことは確認できた。

「僕が君を倒しても、いいことはないね。まあ、悪くは思わないでくれ。ソウルギア、ゾーンバレット」

ゾーンバレット。ランクXXX、ゾーンバレットの所有する力は異次元の弾丸を放つことが出来る。異次元の弾丸には3つの能力がある。即死、異世界送り、全ステータス0。魂装備時の能力は未来予知である。ランクXXとランクXXXの魂装備にはリスクがあるがエデン皇帝にはほぼ無意味である。

「ゾーンバレットオブデッド」

エデン皇帝は未来予知の能力を使いつつ、弾丸を的確にフルモアに当てた。赤黒い光とともにフルモアは砕け散った。

「エデン様、被害者はいませんでした。それと、戦うのでしたらフィールド作って下さい」

「住民の避難協力ありがとう。しかしな、元々スノブレインが壊れていたからそこまで考えてなかったが。俺を囲んでいる霊は排除した方がいいのか」

フルモアは倒したものの、霊は一切消えなかった。しかも、エデン皇帝が手を振りかざし倒しても無数に現れる。霊は魂よりも大きく自我を持ち、魂のように所持者の支持がなくても動くことが可能であるのだ。

「リト執事、リュウの手当任せた。ソウルフィールドVer.Sky」

エデン皇帝は空にフィールドを展開させ、数多くの霊をフィールド内へ集めた。フィールド内では、街や人に被害をなく戦うことが出来る。

「魂と霊、どちらが強いか試そうか」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ソウルワールド @Sazanami0318

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ