第41話 プラス

「はぁ~なんか疲れた。」




旅行から帰ってきて荷物をほどきたいが、体がだるかった。




「なんかすっごくダルイ…トイレ行ってからやろうかな。明日大学あるし。」




トイレに行きナプキンを換えようとした時




「あれ?」




生理二日目の時はいつも生理の量がいつも多かった。




だけど少ししかついていない…




確かに生理は少し早くきたけど…







――もしかして妊娠している?





思い当たることはあるし、何となくだが妊娠しているような気がした。




日曜日で病院はやっていないし、とりあえず薬局にいって検査薬を試してから色々考えることにした。




体がだるかったが、何とか薬局へ行き、検査薬の売り場の前に立ってみた。




妊娠していたら…




急に妊娠が怖くなってきてしまった




目の前に検査薬があるのに中々手が出せなくて眺めているだけだった。




「…ッ」




意を決して、検査薬を手にして急いで家に帰った。




水をがぶ飲みして気分を落ち着かせながら、トイレの前をウロウロした。




やっぱり巧と一緒のときに検査をする?




でももし違ったら、子供がほしい巧に期待させるだけ――




まだわからないから一人で検査したい…




悶々としながらトイレに入り、検査薬に尿をかけて水平に保ちながら目を閉じた。




(どうしよう…結果が怖い…)




中々目が開けれなくて、5分ぐらい目を瞑っていた。




恐る恐るドキドキしながら目をうっすらを開けてみた…




「これは――」




説明書を見ながら検査結果をみてみた。




「これはどうなの…?」




美優は検査薬の説明書をみてもわからず、携帯で調べることにしてみた。




携帯で調べても不安が募るばかり――







検査薬はうっすらと線が出ていた――







でも本当に薄っすらで、ネットで調べれば調べるほどあまりいい情報は載っていなかった。




一度流産してることは聞いてはいた。




もしかしたら、また――




そう思ったら巧に側にいてほしくなった




ただ側にいてくれるだけでいい




何もいわなくても側にいてくれるだけで――




手が勝手に巧に電話をかけていた




「どうした?」




「ごめん…今大丈夫?」




「少しなら…てかどうした?何があった?」




「…どうしても会いたいの。巧に会いたい。」




「わかった。今どこ?」




「自分の家…」




「一時間したら着く。」




「うん…ごめん…」




「何があったか知らないけど、支えるって言ったろ?とにかく行くから、待ってろ。」




「うん。」




巧がきてくれる




それならどんな結果でも受け入れられる…




その時の美優は巧が必要だった




なのに




あのクリスマスの日のように




待っても待っても来なくて




朝を迎えても家にはこなかった――




どうして一番側にいてほしい時にきてくれないの…?

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