第2話 ばーちゃんと仲良くなるまで

 ばーちゃんは、じーちゃんとその弟の3人で暮らしている。自分とばーちゃんたちの距離感は、お盆や正月などのイベントに合わせて帰省するくらいで、ばーちゃんに対して人見知り?をしていて会話も続かなかった。大人になっても母を通訳に挟んでしか会話できなかった。


 自分が社会人になって働くようになり、実家を出て一人暮らし始めた。しばらくは慣れない仕事をしながら頑張ってはいたものの、ある時、人生のどん底に落ちて、仕事を続けられなくなった。仕事をしなければ給料も入らないわけで、一人暮らしのアパートの家賃も払えない。実家には帰れない事情があって、このままでは住む家がなくなってしまうところだった自分を、快く居候させてくれたのが、じーちゃんとばーちゃんだった。


 自分は息をするのと同じくらい自然におしゃべりしないと気が済まないタイプなので、初めの数日は緊張して過ごしたものの、その日の出来事などをばーちゃんに話をするようになった。今ではまた再就職してばーちゃんたちの家からは離れてしまったけれど、ばーちゃんとは電話で連絡をとっている。実家にいる父親はここ数年声を聴いていないが、ばーちゃんにはしょっちゅう電話している。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る