秋の夜長の物語 17歳の秋色
第43話 空から、空から落ちていく。
星の屑が落ちて行く 空から、空から落ちて行く
みんな、みんな、川に落ちて行く 揺れる水面 水の綾
少年とともに見つめあう 光る水面
彼岸花 夢か、現か 失くされた鏡
鏡を映して水の中 上から団栗
ポチャン、ポチャン 水澄む秋の川 涙も落とす
ポチャン、ポチャン 夜風が吹きます、冷然と
あちらで虫の音 蟋蟀が 少年は母を呼びます
ひっそりと声が響いて山の中 水面に雫
秋の声がポチャン、ポチャン、……声を喘いで泣きじゃくる子ども
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