第44話 月代よ、星々が悲しんでいるぞ。


星の舟が先に飛び立つ 


闇の中に煌く光となって


それは人の流れる血の涙 


それは人の流れる心の叫び


妖霊星となり大地の雨風となり


常に少年を連れて行く


少年の声 鹿の声を口笛で鳴らして行く 



竜神が空を飛んで、飛んで闇を明るくし池に沈む 


それは残された鍵を拾って色無き風を葬る


月草があの中で光る不可思議を



秋桜が少年を呼び、消え、消え、消えて行く 


そっと泡となって少年の宇宙 


東に月 西に流れ星 


ふたつのモノが少年の中を見つめ合って


月代よ、星々が悲しんでいるぞ


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