第35話 心の色彩を例えよう


全ての心の色彩を例えずに


僕は暗い森へとやって来た 


ここは嘘の街なのだ 


真実を忘れ消える



魂と星のように揺れる心 


僕には人の顔と真実がわからない 


透明な子ども 


あれは幼いころの自分 


いつしか消えた純朴な魂と風の心地よさが


煌いて回る風車の騒ぐ音が響く 


風は瞬時となって通り過ぎる



僕は風になりたい 


あれは大きな枯れた山


夏の色 ここは故郷 夏の川 


ここは花の風 山と風 


星と海 


この宇宙の荘厳さを折りにしまえ 


ミラクルの更紗をふり下げて


月の雫が僕らの声を聞かせてくれる 


僕はここに帰る 


会いたかった 帰れない 


ここは僕の美しい故郷 


千年の風の音 


軽くなる砂時計 


悲しくなる月影よ


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