時の風、爽籟 17歳の秋は絶望。
第36話 色無き風
色無き風が吹き荒れ
この身体が水の中に消えていく
僕の風
風の叫び
紅葉の木陰にいる独りの少女が叫んでいる
誰も聞かず知らんふり
水が流れ去りこの身体が土のなかに染み渡っていく
僕の叫び 鳥の涙 闇の少女を救おうと
手と手の交差が漆黒の君の瞳に君を預ける
来たれ、来たれ、来たれ
僕の時の風 道化師が笑っていて回り道
ここはどこか 叫んで、叫んで紅葉の葉脈が流れていて
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