第31話 千本鳥居
何故だろう
ほら、そんな無数の眼でさえ
僕を死の微笑で出迎えているのに
千本鳥居
千本狐花
夕闇が仄かに揺れる
あちらの暗い森からは
小さな狐の子が母の元に帰ってきて
狐の子は今宵静かに母の胸元で
静かに眠っていることだろう
血で塗られた褥で夜を持ち合わせて
それと同時に卑俗な眼をした狐が
自らの含有物と称し、僕らは隷属される
何とも遺憾なことだ
少女は悲しかろう、切なかろう
その幼子はほう、紛れもない僕なのに
哄笑でもしましょうか
虚空の中でで揉み消されるべき存在は
この僕なのに居場所はどこにあるのだろう
誰も答える者は決して他にはいないだろう
夜の静寂が僕の声を打ち砕く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます