狐花少年悲歌 18歳は彼岸花と夜を凌ぐ。
第30話 惨事
こんな妖しい夕闇が過ぎれば
表面上の神隠しが必然と起こって
神隠しの中の虚空が繰り広げられ
惨事は常に隠し味となる
かつての僕と同じだった幼子が
この世ではただ
一人きりの少女の声を聞いて
瞳の奥の真っ赤な蝶とともに
蠢き喚き堕ちて行くのが見えるだろう
ほら、他者と言う名の
無数の目が僕を厭っているね
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