義経記異聞 父無し子 16歳の諸行無常。

第27話 月光


幼き少年おりました 


声無き声が闇に消え


月夜に影が振り返る 


月の光が包み込み


縹の虚空染めました 


あるのは己の心のみ


虚空とともに一人舞う 


淡き雫が流れ落ち


月の光は逆行し 


月と雫は混ざり合う


心の宇宙を摑みだす 


真の己も悟らずに


虚偽の己に惑わされ 


今宵少年蹲る


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