エイルの挑戦状9

 9回目もプロット指定です。

 

 毎月突破されるたびにネタを変えて開催です。今回も間口を広げて、ファンタジーから現代ドラマまでなんでも行けますぜ!!

 

 なおネタ提供よろしくお願い申し上げます(≧∇≦)b

 

 エイル公認タグは エイルの挑戦状 です(*^_^*)使用は自由ですよ(≧∇≦)b

 

 細かいルールと他の参加者様の作品は企画アドレスを、下記に掲載しますのでご確認し楽しんで来て下さい。

 

 【エイルの挑戦状9】ペットと共に王道ストーリーだ

 

 2023年3月 https://kakuyomu.jp/user_events/16817330654697345960

 

 

 

 

 それではエイルのチャレンジをどうぞ!!

 

 

 異世界転移なんて、しかも神に頼まれるなんて本当にあるとはまだ信じられない。

 

 現実は小説より奇なりとは言うけれどこれは無いと思う。

 

「ワン、グルルル、ワンワンワン!!」

 

 俺は家族である愛犬と散歩していた。その時に間違ってトラックに轢かれたらしく、本来の生きるべきというここと魔王によって困ってる世界を勇者として救って欲しいというべたに、つきる状況だ。

 

 違うのは、愛犬が居ることである。こーちゃんは雌のチワワとミニチュアダックスフンドのハーフで怖がり過ぎて初対面の人に吠えまくる。神も例外出はなかったらしく、吠えまくってる。


 体重が2キロほどで猫くらい小さいこともあり、抱っこするのも簡単なほど小さくて力弱くて、脚が短くて背が低い。だから人間ですら巨人に見えるのだろう。

 

「というわけですまんが頼めるか?」

 

「こーちゃんと一緒に居られるなら」

 

 神の話も終わるが、半ばこーちゃんの激吠えというかプルプル震えて怯えに対応してて聞いてないがなんとかなるだろう。

 

「良かろう。世界を救えば途轍も無い幸運に恵まれ続けるであろう。それは補償と報酬だ」

 


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ここどこ!?れ?」

 

 寝ていた俺はこーちゃんの顔舐めというか強制的キスにより発言が止められる。どうやらこーちゃんは無事らしい。

 

 徹底的に口を舐めるのでご飯をねだってるようだ。

 

「やっば、こーちゃんのご飯ない!!」

 

 お散歩の後にご飯なのだが、お散歩中はフードを持ち歩いてなんてない。

 

「キャーー助けて!!」「ゴブー!!」

 

 どうやら女の子がゴブリンに襲われてるらしい。実に異世界らしいイベントだ。


「ワンワンワン」


 こーちゃんもやる気らしく走り出す。リードもしっかりあるから何かあっても止められるようにしっかりと握る。



「ゴブ!!」「くぅーん」

 

 ゴブリンの威嚇にこーちゃんは恐怖して俺の後ろへ隠れてガクブルしてる。

 

「うちのこーちゃんをイジメるとは許さん」

 

『スキル:憤怒 を獲得 効果:戦闘力微上昇するかわりに、バーサーカー化する』

 

『スキル:逆境の希望 を獲得 効果:仲間が戦えないときに戦闘力極大上昇』

 

『スキル:防人 を獲得 効果:守るべきものがある時に、心の強さに応じて戦闘力上昇(上限なし)。また疲労無効化』

 

『スキル:絶対の守護者 を獲得 効果:自分より弱いものを守るとき自然回復速度を極限上昇、また被ダメージ微減』


「俺はヤレル!!死ねコブリン」

 

 俺の華麗なる正拳突きによりコブリンは爆散した。そして異世界美少女はゴブリンの肉片と血によって血みどろになった。

 

「あれ?こんなはずでは??」

 

 美少女が何か言ってるがそれどころじゃない。こーちゃん怖かったな。もう安心だぞ。


「クンクン、きゅーきゅー」

 

「メッ!!こーちゃん!!ゴブリンの生肉とか食べようとしないの!!」

 

 犬は元々狼だから肉が大好きだ。こんな怖がりで狩りを出来なくても肉はやっぱり好きなんだ。でもゴブリンの生肉はダメだ。

 

「あのー」

 

「あっ!!勇者スキルのアイテムボックスにドックフードあるじゃん。それに水とお皿まで良かったぁ」

 

 俺は早速、こーちゃんの専用フードを用意してご飯をあげる。

 

「ガツガツガツガツガツガツガツガツ」「あのー勇者様、私は?」

 

「遅くなってごめんな」「ガツガツガツガツ、ゲフゥ」「良く食べました」「あれ?私は放置?・・・グスン、もう帰りますね」

 

 こーちゃんにお水をついで上げるとペロペロと美味しそうに飲む。後は食べ終わったお皿を奇麗に洗い上げる。

 

「そういえば女の子が居たような??というかここはどこだ?」

 

 どうやら街道のそばらしいが、どちらに進めば良いのか分からない。

 

『称号:勇者? を獲得 説明:ぎりぎり勇者な行動をする異世界人勇者に贈られる称号』

 

『称号:遭難者 を獲得 説明:普通は遭難しない場所で進むべき方向を見失った者へ贈られる称号』

 

「ちょっと!?スキルはカッコいいのに称号はおかしくないか?」

 

「クゥーン」

 

 こーちゃんが尻尾フリフリして遊びに行きたそうにしている。どうやらご飯を食べたので、リードの範囲外も探検したいらしい。称号は後にして、人里を探すことにした。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 しばらく遊びまくったこーちゃんは俺の足にタッチして抱っこを強請ったので抱き上げると、スヤスヤ眠った。

 

 ダックスフンドは狩猟犬だけど、チワワは愛玩犬なのもありこーちゃんは長時間の運動は苦手なのだ。そしてたまたま町の方向へ歩いたらしく、人里へたどり着いた。

 

 もちろん町へ入る手続きに手間取っても、衛兵にグチグチ言われても起きない。野生は完全に放棄してるらしい。俺の腕の中で安心してくれて嬉しいけども。

 

 そして日が暮れてなんとか町に入れたので、宿屋に入る。野宿は回避できそうだ。

 

「こんばんは、今夜部屋空いてますか?」「ぐるるるぅわん、わん!!わんわん!!ぐるるるぅ」

 

 こーちゃんが宿屋の主人へ激おこぷんぷん丸してる。どうやら目が覚めて安心安全な俺の腕の中なので、全力で怖さを紛らわせようとしてるようだ。小さいから怖くないけど。

 

「クククッ、まさか犬に正体を見破られるとは思わなかったぞ。闇討ちは失敗したがまだ弱いだろう。死ね異世界の勇者!!」

 

 なんと宿屋の主人がベタな悪魔になる。こーちゃんは激おこぷんぷん丸からの、悪魔の攻撃動作と声にビビり散らしてガクブルする。

 

「こーちゃんをイジメるとか許さん」

 

 俺の渾身の正拳突きで悪魔は消し飛んだ。

 

「ふぅ、なんとかなったな」

 

 すっかり目が覚めたこーちゃんを床に下ろす。

 

「悪魔の気配!!こんな小さな村で悪事とはこの聖女が許しませ・・・」

 

 こーちゃんはどうやら粗相をしたくて起きたらしく、すっきりした顔をしている。そして女の人へ激おこぷんぷん丸をしている。

 

 そして女の人は見事にこーちゃんの粗相を踏み抜いた。

 

「ねぇ貴方、悪魔知りません?そして勇者様が無事か知りません?あとその獣をどうにかしなさい」

 

「悪魔ならほらそこらに破片がありますよ。勇者は俺で、こーちゃんは最愛の家族なので貴女は敵ですか?」

 

「まさか預言の勇者様に会えるとは、ありがたき幸せ!!よく見ると可愛い犬で「ぐるるるぅ!わんわん!!ぐるるるぅがっぶ!!」痛っい!!」

 

「いきなり初対面で頭を撫でるとかダメですよ~。人だってそんなことされたら怒るでしょ?」

 

 こーちゃんはよっぽど怖かったのか、俺に抱っこを強請るので抱き上げる。

 

「なんでしょう。邪悪さはないまさに勇者様なのですが、沸々湧き上がるこの感情は」

 

「こーちゃん、人は噛んだらだめでしょ?」

 

 こーちゃんは何か悪い事しました?知りませんけどみたいな顔してる。まぁ怪我はさせてないし許そう。

 

「とにかく私もあなたと共に魔王退治の旅をします。こう見えて強いんですよ」

 

『称号:ペットバカ を獲得 説明:明らかにペットを溺愛したことにより、不幸にしている飼い主に贈られる称号』

 

『称号:チート勇者 を獲得 説明:戦闘力が人外な勇者に贈られる称号』

 

「なんか称号って俺の事嫌いなんか?」

 

「鑑定しましょう・・・なんでこのラインナップに??」

 

 こーちゃんは知りませんけどみたいな顔して俺の腕の中で眠る。ヤバいカワイイ。

 

「こーちゃんがカワイイから他はなんでもいいや」

 

「勇者!!まさかの私を無視ですか?」

 

「あなたは誰?」

 

「なんかもう、いいです。貴方の味方の聖女です」

 

 こうして聖女が仲間になった。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 長い旅を経てこーちゃんと俺と聖女は魔王城を攻略している。

 

 こーちゃんは聖女に抱っこされて眠っている。こーちゃんの可愛さに聖女もメロメロで、最近は聖女がおやつをあげすぎてこーちゃんを太らせてしまうのが悩みだ。

 

「あーカワイイ、この子ために魔王を滅ぼすまでもう少しですね。ですが痛い思いをさせないために気を抜かないようにしてください」

 

「任せろ。どんな魔物もこーちゃんを害するから根絶やしにしてくれる。こんな危険な場所もいつも道理後で消滅させる」

 

 すっかり俺と聖女は意気投合している。こーちゃんの可愛いさは異世界までも共通らしい。

 

 道中のこーちゃんを怖がらさせる魔物は俺が粉々に爆散させる。メンドイので鍵付きドアは正拳突きで破壊し、トラップは念には念を入れ全部踏み抜いて安全を確認する。


 聖女はこーちゃんの怪我回復に魔法を温存している。

 

 こうして俺達は魔王と対峙する。

 

「勇者よ。脳筋すぎやしないか?」

 

 若干魔王がドン引きしている。

 

「正面突破これぞ王道なり!!愛こそ最強なのだ」

 

「それこそ勇者の弱点だ。そのスキルを封じさせて貰うぞ」

 

 魔王は明らかに高級なステーキを出すとお皿を床に置く。こーちゃんが食べたいと降ろせーと聖女の腕で暴れて脱出し、ステーキを食べる。

 

「フハハハ、これで勇者のスキルは発動しないだろう!!我の勝ちだ」

 

「何をする!そんな量一度に食べさせたら吐くまで食べるだろうが!!そういう心無い行為が寿命を縮めるだ」

 

 俺はこーちゃんを守るため全力で正拳突きを放った。魔王のHPを残り1まで削ってしまう。いや1残してしまった。

 

「こんな勇者バカに我は負けん!!」

 

 魔王は立ち上がろうと腕を伸ばすと、こーちゃんはご飯を盗られると思ったのか、魔王を倒そうと思ったのか、俺を守ろうとしたのかは分からないが、魔王の指に「ぐるるるぅ」と唸って噛み付いた。

 

 そのこーちゃんによるダメージで魔王はHPが全損した。

 

「こーちゃん!!天才!!」「こーちゃんこそ勇者に相応しい!!」

 

 こうして勇者こーちゃん飼い主な俺下僕聖女下僕と共に末永く好き勝手わがまま放題に異世界を支配したのであった。

 

 だが民は勇者こーちゃんに奉仕して幸せであったという。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る