第5話

人を疑うことしかできなくて、自分はなおさら信じられなくて、自分の死を夢見る毎日。

友の前では仮面を被って道化を演じ、

家では罵声を浴び腐った事を思案する。

そんな日常に疲れ死を望む。

常に何かに怯え、誤魔化すように笑い、

話さなければならない時に限って舌足らずに邪魔をされ、もどかしくなり絶えず湧き上がる衝動に身を悶える。

こんなにも腐り果てた私の命なんかに何の意味があるのだろうか。

どうして生きる必要があろうか。


「誰か…。助けて………ッッ。助けてよ!!!!!!!!!!」


バカだ、私は。

たまらなくなって頬に平手を打つ。

何度も、何度も。本当にバカだ。

惨めで見苦しくてとても見ていられない。

人を信じようとしないくせに助けを求めるだなんて。なんて図々しい。都合が良いにも程がある。頬を打つ手を止め、考える。

もうやめよう…?人に頼るのも甘えるのも。

迷惑なだけだから。大好きな先生たちを困らせるだけだから。元気にしてなくちゃ…。

いつものように仮面を被って大丈夫なふりをして。安心してもらわなきゃ。

先生を騙すのは心苦しいけれど。

きっと困らせるよりはマシだから。騙せ。

仮面を被れ。あたかも仮面の姿が本来の姿であるように。

自分をも騙すんだ――――。

仕方がない。誰がどれだけ手を尽しても、私をこの状況から救うことはできない。

どこかの映画やドラマのように逃避行することもできない。


騙せ。


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少女は、苦しみに悶えながらも仮面を被った偽りの自分を貫くことを決めました。

しかし、それと同時に以前は恐ろしくてとてもできなかったというリストカットを始めてしまいました。それでも彼女は幸せを感じていました。今まで困らせて心配ばかりかけていた大好きな人たちが、最近元気だね、成長したね、と褒めてくれたから。

みんなが笑ってくれたから―――――――。


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