第5話:独りの月

私が囮になってレイ様だけでも無事に逃がすか…?いや…、得策ではないだろうレイ様の足ではそれほど遠くには逃げられない。ましてや学力に秀でた月の民の生き残りである私達が武力に秀でた太陽の民に体力で勝てるわけがない。なら…どうする?

考えろ…私は月の民の生き残りで将来の月の王レイ様に仕える者だろ!

そうだ…確かもしもの為に太陽の民の軍服である甲冑を奪ってきていたはず。兜で顔が隠れるから認識しづらいだろうそれを着て紛れ込めば逃げれるのではないか?しかし、レイ様を布に包んで運ぶ事になるが月の民の捕虜を1人捕まえたから先に王国に運び込むと称して逃走すればいけるぞ。馬術には自信があるし追いつかれる事もないんだろう。とにかくここから逃げ出せれば十分だ。

俺は、急いで太陽の民の軍服である甲冑に着替えたのだった。

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