第14話

 鷲の魔物を捕まえて来て貰った。

 テイムの魔法陣を紙に写し取って、鷲の魔物に発動する。


「……成功かな?」


 手渡しで、餌を食べてくれた。

 次に、視覚共用の魔法陣を発動してみた。こちらも漫画にしてみる。

 鷲と視覚を共有する。

 少し気持ち悪いけど、問題なく発動している。


 鷲を飛び立たせた。


「凄い、情報量だな……」


 鳥の視点……、人としてはあり得ないほどの情報量が手に入る。前の世界で言うとドローンかな。

 ゴブリンは、街の周囲に数匹見張っているみたいだった。

 私は、街の地図に×印を付けた。


「ここにいますね……」


 ジャンヌさんが、飛び出して行く。

 鷲を使って誘導する。

 今日は、ゴブリンの斥候と巣を一つ潰せた。


「助かるよ。しかし、ユージはクスロールを自作できるんだね。珍しいスキルだ」


 スクロール……。魔法が納められている、紙だったな。

 そうか、私の魔法はそんなことにも使えるんだな。なにも考えずに、成功させてしまった。


 その日のうちに、鳥のテイムと視覚共用の漫画を描いた。

 ゴブリン討伐記に追加する。


 ここでシーナさんが来た。


「喫茶店シーナは、少し休みにすることにした。ユージは、ゴブリン掃討に尽力してね」


 ……そうなるか。


「2~3日で終わらせるようにします。休業中の保証は、ギルドにしてくださいね」


 シーナさんは、笑顔を崩さなかった。





 朝日と共に、鷲を飛ばす。

 街の周囲を飛ばして、ゴブリンの巣を見つけておく。

 それと、ハグレだ。野宿している集団を見つけた。一組だけど、殲滅となると取り残しがいるかもしれない。

 ここは、相談だな。


 今日は、私からギルドへ向かった。

 ギルド長を呼び出して、ゴブリンの巣とハグレの位置を示す。


「……各パーティーを派遣するか」


 ハグレは、ジャンヌさんのパーティーが担当するとのこと。

 こうして方針が決まった。


 私は、鷲を飛ばして、冒険者パーティーを誘導する。

 それだけで、戦闘となった。


 戦闘が始まったら、他のパーティーの場所に移動する。それを繰り返した。


「最後にジャンヌさんのパーティーだな」


 一番距離があり、時間がかかると思われたので、最後にしたんだけど……。ハグレ達は、移動していた。

 私は鷲を使って、方向を示唆する。

 ジャンヌさん達の誘導だ。


 戦闘が始まった。

 だけどゴブリン達は、散会した。


「面倒だな……」


 結局は、時間がかかったけど、ジャンヌさん達が殲滅してくれた。

 気が付くと夕暮れだ。

 私は、鷲を使って、街の周囲を俯瞰し、ゴブリンが残っていないことを確認した。

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