第13話

 ――カリカリ


 私は、右肩負傷で静養を言いつけられた。

 その間に、今回のゴブリン戦を漫画に起こして行く。肩は動かなくても、一応は描ける。肘から先を動かす。無理しない範囲でだけど。

 本当は、炊き出しの食事を作りたい場面だけど、利き腕が上がらないんだ。石畳の投石は無理があったか。

 今は自分のできることをしよう。


 ネームが切れた。今回の騒動を、初心者冒険者視点で描いて行く。

 総枚数十九ページだ。

 読んで貰うか。



 ギルドに移動すると、冒険者ギルド長とジャンヌさんがいたので、読んで貰う。


「……これ、報告書に添付してもいいかな?」


 ギルド長からの意外な提案だった。


「まあ、別にいいですけど。数日待って貰えますか? 清書します」


「……いや、これで十分だよ」


 いいのかな? まあ、任せるか。


「ゴブリンの討伐方法と、習性を描いて貰えないだろうか? これから必要になる」


 今度は、ジャンヌさんからだ。


「ゴブリン討伐記が途中ですね。纏めてみます。今回の内容も盛り込みたいので時間をください」


「頼むよ」



 その後、一週間かけてゴブリンの話を描いた。念動力も上手く扱えるようになっていた。

 街は、元に戻って来たかな。

 壊された建物も修理済みだ。それと……、数人亡くなったので、埋葬までを行う。私は、献花を行った。


「さて、お店を再会しますか」


 シーナさんを見る。


「ユージ。ゴブリンはしつこいよ? 逃げようとは思わないのかい?」


「私にシーナさんのお店以外に行く所は、ないですよ?」


「色々と仕事の依頼が来ているんだろう?」


「副業です。私は、喫茶店シーナの料理番ですから」


 シーナさんが笑ってくれた。


 だけど……、実際にゴブリンの襲撃は続いた。

 近くに新しく巣を作ったのか。

 被害は軽微だけど、町民に被害が出ている。それと、物資の略奪だ。

 なんとか対処しないとな……。


 ジャンヌさんが、喫茶店シーナに来た。

 皿を出す。今は、時間外なので聞いてみるか。


「ゴブリンの巣は、見つかりませんか?」


「ああ……。無理だね。年単位かかるだろう。街の防衛体制を強化したら他に行ってしまうだろうし……。いや、もう少数は、はぐれた可能性もある」


 面倒なんだな。


「……どうすれば、時短できますか? こんなのが有ったらいいなという想像力でもいいです」


「うん……。鳥の視点、未来視、広範囲の索敵……あたりかな?」


 紙にメモして行く。


「もしかして、できるのかい?」


「術式というか、魔法陣でも分かれば……」


 ジャンヌさんが、急いで食べ出した。そして、出て行って、すぐに戻って来た。


「テイムの魔法陣と、視覚共用の魔法陣だ。これでどうかな?」


「大型の鳥も用意して貰えますか?」


「テイマーが、捕まえて来るように手配する。それをユージがテイムするのはどうだろうか?」


 ……行けるかな?

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