思い出がふりつもる道は、ふたり描いた未来

恋愛もの。
季節の流れとともに、二人の関係性の暖かさが変化していくところが良い。
比喩にこだわって書かれている。


桜菜は大希と土手から滑り落ちる前から片思いしていたと思われる。
滑り落ちる前、「チョコパイ食べるとなんか頭に入るんだよね」と話している。
二月中旬でチョコといえば、バレンタインデーがある。
恋する人にとっては意識したいイベントの一つだと思う。
土手のアクシデントがなければ、彼にプレゼントしようとカバンに忍ばせていたかもしれない。
だからこそ、彼女は彼に声をかけたのだろう。

桜菜はかなり積極的な性格で、アクシデントにも強い子だ。
土手で滑ったときもそうだし、通信障害で主人公が店に来たときもそう。
本来なら彼の返事をもらった翌日、クロワッサンを渡すつもりだったと想像する。
クレーム対応した主人公の行動をみると、桜菜とはお似合いな気がする。