第4話
冒険者ギルドで換金を待つ。
この作業は、私には苦手だ。
三人に任せる。
その間に食事を済ませる。
量的に、三人前を平らげた。ちなみに私の主食は肉だ。
「ヘーキチさん。一人頭、金貨10枚になりました」
金貨は、日本円にすると100万円くらいだ。今日だけで、4000万円を稼いだのか。
金貨の入った袋を受け取るが、そのまま冒険者ギルドに預けた。
襲われたり、盗まれたりはしたくない。銀行というか、預金だな。預金額は……、面倒だ。後にしよう。
「それじゃあ、解散とゆうことで。今までありがとう」
三人が、残念な顔をする。
「ヘーキチさんは、この後どうするんですか?」
「熊退治だが? 絶滅させる気でいる。そうすれば、このウィアイスの街は平和になるのだろう?」
ついて行けないとばかりに、三人はお別れの言葉を言って帰って行った。
「さて、明日からまた
私の独り言に誰かが反応した。
その者が近づいて来る。
獣人の若そうな女性だった。獣耳が良く似合う。
そういえば、この世界に来た頃は、亜人に驚かされたな。もう慣れてしまってはいるが。
「御高名なヘーキチさんですよね。少しお話を聞いて貰えませんかニャ?」
私に話しかける度胸があるのか。まあ、震えているが……。
◇
「
再度、食事を頼んで、食べながら話を聞く。
「
丸一日、壁とか床を壊しながら進み、魔物を屠ったら、出口が現れた。あれは、何だったんだろうか?
「特技は? 自己アピールでも構わん」
「〈暗視〉と、〈忍び足〉がありますニャ……」
「物資の運搬は? マジックバッグはあるのか? もしくは、魔法かスキルか?」
「……ないですニャ。そこで相談なのニャ」
私に話しかけて来た理由が分かった。
私は、ウェイターに『すぐに食べられる食事』を追加注文した。
シチューが運ばれて来る。
「まずは、食べろ。話はその後だ」
目の前の獣人は、涙を流しながら食べ始めた。
資金不足だったみたいだ。
「食事が終わったら、装備を整えに行くぞ。まずは平らげろ」
目の前の獣人が、驚いた表情をする。
「パーティーに加入させてくれるのですかニャ?」
なんのために奢ったと思っているのか。
「恩を感じたなら、これから返せ。それと……、名前を教えてくれ」
「失礼しました。ミルキーですニャ。よろしくお願いしますニャ」
「私のパーティーはきついぞ? 覚悟はあるか?」
「餓死するよりは、チャンスにかけたいですニャ……」
理由としては、十分だ。最高と言える。
明日からは、ミルキーと狩りに出かけよう。
私は、ギルドで売られている、最も高価なマジックバッグを購入した。
ギルド職員が震えている。高性能であり、高価すぎて売れ残っていた物だろうに。
「ど、どの方が『所有者』となられますか?」
「こちらの、獣人の女性だ。名前は、ミルキー」
「……はっ、ニャ?」
「ちょっと、お待ちください! 所有者登録をすると、他の人には使えなくなるのですよ?」
「私のパーティーのサポーターなんだ。これくらいは持って貰いたいと思う」
ギルド職員が倒れた。貧血かな?
それとミルキーは、立ったまま口から泡を吹いていた。戻さなかったのは、褒められる点だな。
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