第四章・暗闇の街灯の下に浮かぶ白い裸体……女子高校生露出怪人『露出コウモリ』の逆襲〔一応最終章〕
第8話・「……変態」
街灯がポツポツあるだけの寂しい通り──歩きスマホで帰宅する、ヴィラン・ヴィラン学園の生徒ではない別校の女子生徒がいた。
歩いている女子生徒に、頭上から話しかけてくる声が聞こえてきた。
「歩きスマホは危ないよ……モリィ」
女子生徒が歩いている前方の街灯の明かりの中に、黒いマントを羽織ったような、ヴィラン・ヴィラン学園の女子生徒が着地した。
コウモリ翼耳の耳飾りをつけた、怪人『露出コウモリ』が女子生徒に言った。
「こんばんは、露出狂のお姉さんですよぅ……これから、素敵なモノを見せてあげますからね……ばぁ」
露出コウモリが、マントのようなコウモリの翼を広げる。
現れた裸身の胸と股間は白い泡に包まれていた。
変態女に悲鳴をあげて逃げ出す女子生徒。
女子生徒に向かって、露出コウモリはコウモリの紋章が浮かぶ泡を飛ばす。
女子生徒の首筋に泡が付着して、コウモリの紋章だけが逃げていく女子生徒の首の後ろに残った。
闇の中に逃げ消え去った、部活帰りの女子生徒に向かって露出コウモリが呟く。
「素敵な露出ライフを……露出ウィルスで、変態露出女子高校生になるんだモリィ」
◇◇◇◇◇◇
数日後──町で露出狂の女子高校生が多発した。
長いロングコートを着て、挙動不審で夜の町を徘徊して人前で露出する女子高校生たち。
今夜も、露出コウモリの餌食になって。
露出願望が高まった一人の女子高校生が、繁華街をブツブツ呟きながらロングコート姿で歩いていた。
「あぁぁぁぁぁぁ……誰かに見せたい、あたしの体を開放したい」
その目の瞳には、コウモリ型の影が映っていた。
「もう、我慢できない……はぁはぁ」
露出コウモリの露出ウィルスに侵された女子高校生は、酔っ払って道端で座り込んでいる中年男性の前に立って言った。
「おじさん、コレ見てくれます……思いっきり観賞してください」
女子高校生がコートをめくろうとした、その時──疾風のように走ってきたサカナカナが、女子高校生の体を路地裏へと運び去った。
酔っ払いの中年男性の目に映り残ったのは走り去る瞬間に、華奈のロングコートの裾がめくれ上がった時に見えた美尻だった。
路地裏に連れ込んだ、女子高校生の両肩を向かい合ってつかんだ華奈が言った。
「しっかりして、露出ウィルスに負けないで! あそこで露出したら人生詰む……一生、露出狂の変態女扱いされるのよ。露出狂の変女扱いで恥ずかしい思いをするのは、変態怪人だけで十分」
女子高校生は、華奈の言葉を無視してコートをガバッと左右に開く。
コートの下には、競泳水着の模様がボディペインティングされていた。
「なーんだ、競泳の水着がボディペイントされていて、水着着ているように……って、違うでしょう! これ裸でしょう。ヴィラン・ヴィラン学園の中にはこんな変態ペインティングをする、美術系の怪人もいるわけ?」
その時、狭い路地の上から声が聴こえてきた。
「その、ボディペインティングを描いたのは、あたしの親友の変態怪人『アートトラ』湯上がりで、ベットで眠っている女性の体にアートするのが趣味だモリィ」
見上げるとコウモリの翼をマントを羽ばたかせた、変態女子高校生怪人『露出コウモリ』が浮かんでいた。
華奈が言った。
「出たなぁ、ヴィラン・ヴィラン学園の変態怪人」
「あなたに、言われたくないモリィ。露出ウィルスを消滅させたかったら、あたしと戦って倒すコトだモリィ」
そう言い残して飛び去っていく露出コウモリ。
無人走行で走ってきた、痛自転車のオオアラシ号に飛び乗って露出コウモリを追う阪名 華奈。
華奈の改造された脳内に仮面をかぶってオートバイに乗ったヒーローが、怪人と戦っているシーンを彷彿させる軽快で雄壮なメロディーが流れる。
「頭の中の音楽うるさい!」
飛び逃げていく露出コウモリには、勝算があった。
(サカナカナの跳躍力は約六十六メートル三十センチ……あたしの飛行高度は七十メートル、あたしの方が有利。このまま、この先の貨物駅の廃線に誘い込んで背後から急転回して襲えば……勝てる……たぶん)
貨物駅の廃線が近づいてくると、華奈は両手離し走行でカードを取り出してフォームチェンジをする。
【昆虫カード】
『カマドウマ』
【モノカード】
『マッサージバイブ』
《バストマッチ!》
カマドウマの脚模様になって跳躍力がアップした、カナが露出コウモリに向かってジャンプする。
露出コウモリの飛行高度を越すサカナカナ。
驚愕して焦る露出コウモリ。
「そんな、バカなモリィ」
サカナカナは、露出コウモリを空中で捕らえて、コウモリの体を背中側を地面に向けた仰向けの体勢で翼をつかむと。
露出コウモリの股間に、バイブブーツの底を押し当てて
ヴィヴィヴィ……快感に染まる露出コウモリ。
「あふぅぅ、あッ、そっそこ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、あたしの急所モリィ」
そのままの体勢で廃線の砂利に向かって、華奈は露出コウモリの体を背中側からズドーンと落下させた。
惚けた顔の露出コウモリ。
「あふぅぅぅ……最高モリィ」
華奈がブーツを露出コウモリの股間から離すと粘質の体液がヌチョと糸を引き、露出コウモリの身体は泡に包まれウィルスは消滅した。
泡の中でピクッピクッ蠢いている。
露出コウモリを眺める変身を解いた華奈の、ロングコートの裾が廃線を渡ってくる風でめくれて美尻が丸見えになった。
ひとつの戦いを終えた華奈が呟く。
「また、恥ずかしい戦いをしてしまった」
がんばれ華奈、負けるな華奈、変態怪人はまだまだいるぞ。
隠さず戦え! 阪名 華奈。
世界は君の恥ずかしい姿を待っている。
変態女性怪人VS裸体等身ヒロイン~本当にハダカじゃないんです! こういう模様なんです!信じてください~とりあえず、完結
★〔作者より〕どうせ、この先の展開は
怪人現る、裸体等身ヒロインが怪人を倒すのテンプレ展開。
たまに、テコ入れで第二・第三の裸体等身ヒロインが登場したり。
敵が改心して味方になったり。
裸体等身ヒロイン同士で、サドンデスバトルしたり。
ラストも敵を殲滅させるか。
悲惨なラスト回避のために、願って並行世界で最初から無かったコトにしたり。
「続きは映画館で」と言って大ヒンシュク買うラストのパターンなので、作者面倒くさくアホらしくなってきたので【完結】にしておきます。
もしかした、ちょこっと新章で『華奈ロボット操縦者エピソード』を書き加えるかも知れません。
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