オマケ新章【阪名華奈】恥ずかしいシースルー制服でロボット操縦者になる

第9話・「なに?この制服透けている、えっ?コレ着て操縦席に座って巨乳ロボットを操縦しろって?ムリぃ」

 阪名 華奈は公園のベンチで、ソフトクリームをナメながら平和を満喫していた。

「やっぱり、怪獣や怪人がいないと平和よねぇ」

 公園では、金属パイプや刺股などの武器や捕獲器を手に、下着泥棒の犯罪者を追いかける市民や。

 抗争している二派の暴力団構成員たちや。

 痴漢男をフルボッコにしている女性たち。

 サイコパスの覆面殺人鬼から、逃げ惑う人々の姿があった。


「怪獣や怪人に比べたら、あんなコト……小さい小さい」

 町に落下した氷塊隕石の衝撃波が、華奈がいる公園まで届く。


 衝撃に吹っ飛ぶ人々、華奈は日常の平和に微笑む。

 ヴィラン・ヴィラン学園は営業不振で自然消滅した。

 地下宮殿にいた大幹部『大電鉄女』は、地盤沈下で宮殿ごと地下深くに埋没した。

「平和だなぁ……もう、あんな恥ずかしい格好する必要も……」


 華奈がそう思った瞬間、何者かによって華奈の頭から全身を包む麻袋がかぶせられ、ベンチから持ち上げられた。

(きゃっ、なに?)

 麻袋の外で男たち数人の話し声が、聞こえてきた。


「気をつけろよ、見た目は女子高校生でも強化改造されているから……こら、暴れるな。鎖を巻いて阪名 華奈の動きを封じろ!」

 麻袋の中で手足を激しく動かして、抵抗する華奈。

 華奈の手足が麻袋を持ち上げた数人をブッ飛ばす。

 投げ出された麻袋の外から聞こえる男たちの悲鳴。


「麻酔銃だ! 巨象を眠らせる麻酔薬を麻袋に撃ち込め! 早くしろ! 女子高校生が鎖を千切る前に眠らせろ!」

 麻袋をかぶせられた華奈の体に強力な麻酔弾が撃ち込まれ、華奈の意識は遠のいた。


  ◇◇◇◇◇◇


 華奈が意識を取りもどした時、華奈は見知らぬ部屋で鎖で縛られて椅子に座っていた。

(どこココ?)

 自分の状態を確認した華奈は、頬をヒクヒクさせる。

 華奈は黒いTバックパンツ姿で、シースルーのミニスカート制服を着せられていた。

(なにコレ? 完全な裸体じゃないけれど……これじゃあ裸でいるのと変わらないじゃない、ブラジャーは無くても強化改造された乳首と乳輪だから、繊維に擦れて赤くなるコトはないけれど)


 華奈の前方から女性の声が聞こえてきた。

「手荒なコトをして、すまなかったわね阪名 華奈……あなたの力が必要なの」

 見ると華奈が着せられている制服と同じデザインで、軍服緑色アーミーグリーンの制服を着たメガネ女子が腕組みをして立っていた。

 女性背後にも、同じ制服を着た男性数人が包帯を巻いた姿で、並び立っている。

 メガネ女子が言った。

「説明しよう、ここは地域防衛隊【グンマ】の本部、あたしはグンマの隊長『草津』……今、地域の商店街に危機が迫っている」

「地域防衛隊? 日本とか世界を守る組織じゃなくて?」


「地域防衛隊グンマが、守るのはグンマに出資してくれる地元の商店街や、グンマのスポンサーがメイン……それ以外の地域や都心がどうなろうと、知ったこっちゃない。だいたい内戦や戦争をしている、国を守るほどの組織力はグンマに無いわ」

「ひどい……で、あたしを拉致してきた目的は?」

「暴れないと約束してくれたら、鎖を解いて説明してあげる……約束できる?」

「わかった、約束する」

「ウソついたら、体内の自爆装置を作動させて、爆発させるから」

「自爆装置?」

「知らなかったの、あなた改造された時に体の中に、自爆装置を埋め込まれているわよ」

「げっ⁉ チ・バマンの野郎!」


 鎖を解かれた華奈に、草津がスマホの画面を見せる。

「この巨乳、美女巨大ロボットに見覚えがあるかしら」

 それは頭に角を生やした、ヴィラン・ヴィラン学園の大幹部『大電鉄女ナインティーン』が、カメラ目線でピースをしているインスタグラムだった。

 華奈が答える。

「ヴィラン・ヴィラン学園の地下宮殿で横臥している大幹部……前に戦った変態怪人がスマホで見せてくれた……少し前までライブ配信もしていたけれど、地盤沈下で地中深くに消えたって」

「知っていれば話しは早いわ、大電鉄女は地下水脈の大河を流れて海洋に抜けて、日本近海の底に沈んでいたのをグンマが密かに引き揚げたの」

「なんのために?」


「ナゾのロボット軍団と戦わせるために、そのためのパイロットが……阪名 華奈、あなたよ」

「なんで、あたしが?」

「大電鉄女が、あなたのSNSをフォローしていて。相性がいいから、あなたは大電鉄女に選ばれたパイロット適合者なのよ」

「いやいやいや、言っているコトがメチャクチャなんですけれど……だいたいなんで、このスケスケ制服なんですか?」


 華奈は、自分が着せられているシースルー制服を指差す。

 淡々と説明する草津。

「大電鉄女とシンクロするためには、できるだけ裸に近い格好じゃないとダメなのよ……本当は全裸でパイロットシートに座ってもらうのが理想なんだけれど」

「裸でパイロットなんてできるか! 他に着るもの無かったんですか」

「その制服が嫌なら、体に密着したボディスーツを特注で作らないといけないわね……素っ裸になって体のサイズを計らないと作れないから。体のラインや部位がはっきりわかるスーツになるけれど、それでもいいの? 乳首の形も外から見てわかるわよ、それ以外の部位の形も……例えば」


「もういいです、このシースルー繊維の制服でいいです……まだ、パンツ穿かせてもらっているだけでも」

「自分の立場を理解したようね……ついてきて、メンテナンスが修了した。大電鉄女ナインティーンの格納庫に案内するから」


  ◇◇◇◇◇◇


 華奈は巨大な巨乳水着ロボがビキニ姿で微笑み立っている、ロボット格納庫に案内された。

「どう、新しくなった大電鉄女の違いがわかるかしら?」

「頭の角がなくなっている」

「他に気づいた点は、かなり需要な箇所が変わっているんだけれど」

「???」

 草津が、変更個所を華奈に伝えた。

「乳首と乳輪をピンク色のパーツから、ココア色のパーツに交換したの、総司令官の好みで……あとバストの容量も数パーセント増し、ビキニをズラして乳首と乳輪見てみる?」

「結構です」


 その時、格納庫内に敵ロボットの出現を知らせる警報とアナウンスが響く。

 草津が嬉しそうに、手の平に拳を打ちつけて言った。

「おいでなさったわね……華奈、出撃よ。ちなみにロボット軍団には人が直接操縦するロボットと、自立AI搭載のロボットの二種類がいるから……さあ、巨乳ロボの水着をズリ上げて、操縦席が埋もれている胸の谷間を左右からアームハンドで露出させたから、カプセル型の操縦席に乗り込むのよ……出撃しないと、体の自爆装置を作動させるわよ」

「ううっ、ひどい」


 操縦席にシースルー制服で乗り込んだ華奈は、無数のパネルやメーターに戸惑う。

「あのぅ、操縦の仕方わからないんですけれど」

「しかたがないわね、しばらくはコレを使って華奈の体を動かすから、体で操作方法を覚えてね……こんなコトもあろうかと作っておいて良かった」

 草津がシンプルな、二本のレバーが立った操縦装置をガチガチ動かして、華奈の体を操る。

「ひーっ、最初からそのレトロな装置で、このロボットを動かした方が、もうワケわからない……大電鉄女ナインティーン発進!」

 大電鉄女の口から「ま゙ッ」と間の抜けた声が発っせられ。

 操られた華奈が乗った大電鉄女は、射出装置から排出されて出撃していった。


 戦え華奈! 世界は君の恥ずかしい姿を待っている!


「なに?この制服透けている、えっ?コレ着て操縦席に座って巨乳ロボットを操縦しろって?ムリぃ」~おわり~


★作者、これ以上書く気なし

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