第4話・「あたしが主役なんです! 裸の変態ライダーじゃないんです信じてください!」

 逆転バットが、口をあんぐり開けて眺める中。

 赤い服の爆乳女性が戦隊口上をはじめる。

「爆乳戦隊オ・姉妹ジャー長女、古代生物の力を受け継ぎし爆乳戦士『爆乳パワー』!」

 長女の後方で赤い爆煙が上がる。


 続いてクールな雰囲気の青い服の女性が続く。

「爆乳戦隊オ・姉妹ジャー次女、伝説の剣豪と偉人の力を受け継ぎし爆乳戦士『爆乳ソード』一筆啓上、一閃一撃」

 舞い上がる青い爆煙。


 続いて、青の隣の黄色い服の女性が口上をする。

「爆乳戦隊オ・姉妹ジャー三女、乗り物と重機の力を受け継ぎし爆乳戦士『爆乳トレイン』出発進行!」

 黄色い爆煙がドーン。


「爆乳戦隊オ・姉妹ジャー四女、お仲間になった〝あやかし〟の力を借りて化け物退治『爆乳シノビ』でござる」

 背後に黒い爆煙が先の赤、青、黄の爆煙と混ざり合う。


「爆乳戦隊オ・姉妹ジャー五女、ケモノの叫びで野生覚醒、動物パワー全開『爆乳アニマル』吠えろぅ!」

 緑色の爆煙が勢いよく広がる。


「爆乳戦隊オ・姉妹ジャー末っ子、未来科学で悪い人は許しませんデス『爆乳フュチャー』乳の未来は、あたしが守るデス」

 ドドーンとピンク色の爆煙。


 最後に、六人姉妹が同時に足踏みをする。

「六人揃って、爆乳戦隊オ・姉妹ジャー!」

 今までで、一番大きな爆煙と火花が散る。


 そして「超乳!」の掛け声で六人姉妹は、スーパー変態……もとい、スーパー戦隊に変身した。

 我に返った逆転バットが、ザコ男子戦闘員に指示をする。

「なんだが、よくわからないけれど……排除!」

「ヒューイ、ヒューイ」

 爆乳戦隊に襲いかかる戦闘員。


 長女がアイテムを取り出して叫ぶ。

「古代の力お借りします【カルカロドントサウルス】学名は『ホオジロサメの歯のトカゲ』」

 爆乳パワーの姿に肉食恐竜のパワーが加わる。

 次々と吹っ飛ばされたり、噛みつかれて投げ飛ばされるザコ男子戦闘員。

 爆乳パワーが、闘いながら愚痴をもらした。

「うぅ…… カルカロドントサウルスってマイナーな名称、舌噛みそう。どうしてメジャーなティラノザウルスとか、スピノサウルスじゃないのよ……ついでに、ケナガマンモスって恐竜? 戦隊モノでよく恐竜と同列系統の扱いされているけれど?」


 次女の爆乳ソードも、剣豪の力を呼び寄せる。

「偉大な剣豪の力をお借りします……剣豪【富田勢源とみたせいげん】〔富田流〕心眼」

 爆乳ソードの剣技が次々と、ザコを打ち倒す。


 三女の爆乳トレインも負けじと、爆乳の受け継ぎし能力を発揮する。

「乗り物の力をお借りします……重機【油圧ショベル】アタッチメントは……『油圧ハサミ』」

 爆乳トレインに重機のアームパワーが加わり。

 上下に2枚の爪がついた形状をしたカニのハサミのような重機アームが、ザコ男子戦闘員の体をつかんでブンブンと振り回して遠方に放り投げた。


 四女の爆乳シノビが、印を結んで妖怪の力を呼び寄せる。

「あやかしの力をお借りします……妖怪【豆腐小僧】お力添えを」

 爆乳シノビの姿が、笠をかぶって、皿に乗った豆腐を持った姿に変わる。

「この豆腐は、お主たちのメンタルでござる……ふんむっ」

 豆腐を拳で押し潰すと、ザコ男子戦闘員たちのメンタルも豆腐のように崩れた。


 五女の爆乳アニマルが、野生の構えをする。

「グルルル……野生の力をお借りします……凶暴な【アライグマ】」

 爆乳アニマルに、野生のアライグマの力が加わる。手に負えない凶暴なアライグマに戦闘員たちは逃げ惑う。


 末っ子の爆乳フュチャーが、未来科学であるモノを召喚する。

「未来の力をお借りしますデス……未来機械【犯罪者撲滅警察ロボット】デース」


 全長八メートルの二脚ロボットが現れる、フュチャーはロボットの胸部にあるフレーム剥き出しの操縦席に飛び乗った。

 爆乳フュチャーの、後ろ首にあるコネクタに、プラグコードが自動で接続される。

「悪い人は許さないデース」

 電磁警棒を振り回して、ザコ男子戦闘員を蹴散らす爆乳フュチャー。


 ほぼ、壊滅状態の戦闘員たち。

 それを見た、逆転バットが爆乳戦隊に向かって土下座をする。

「ごめんなさいバァット、本当は悪党に命令されていただけなんです……悪いのは、その悪党の変態女なのですバァット」

 闘いをやめた赤い長女が、逆転バットに訊ねる。

「そうだったの、そんな悪いヤツがいるの?」

「はい、裸体等身ヒロイン【サカナカナ】という、それはもう変態な極悪人が……お願いです、サカナカナを倒してください」

「わかったわ、爆乳戦隊オ・姉妹ジャーは、サカナカナと闘い倒す」


 土下座をしている、逆転バットは。

咄嗟とっさの思いつきだったけれど、上手くいった、バァット)

 と、ほくそ笑んだ。

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