第二章【裸体等身ヒロイン・サカナカナ】VS【爆乳戦隊オ・姉妹ジャー】 本編

第3話・「なんとなく、変な戦隊の別ストーリーが、主役と無関係で勝手に進行している気がするんですけれど」変態校医怪人【逆転バット】登場

 深夜の乙女の寝室──パジャマ姿で熟睡している女子高校生。

 彼女は私立ヴィラン・ヴィラン学園の生徒ではない。

 部屋の窓がスーッと開き、微風でカーテンが揺れて。コウモリのようなマントのバイオ怪人変態スーツを装着した成人女性が侵入してきた。


 頭にはコウモリの耳飾り、露出度が高いコウモリビキニの変態スーツ、腰にはヴィラン・ヴィラン学園の校章がデザインされた怪人ベルトをしている──どう見ても変態だった。

 部屋に入ってきたコウモリ怪人女が言った。


「ズ、バァット、変態のお姉さんですよぅ」

 ヴィラン・ヴィラン学園女性校医怪人【逆転バット】

 逆転バットが、手で操り人形を操作するような動きをすると、寝具で横になっていた女子高校生が、眠ったまま上体を起こしてそのまま立ち上がる。


 催眠状態で怪人に操られる、パジャマ姿の女子校生は、目を閉じたまま逆転バットの前に立つ。


「これから、あなたを素敵な変態さんに変えてあげますバットッ、噛みつきやすいように首筋を見せて、バットッ」


 女子高校生は、命じられるままにパジャマのボタンを少し外すと、ブラの肩ヒモを露出させて小首をかしげた。

 逆転バットの、牙が生えた口が女子高校生の首筋に迫る。


「いただきまーす、カプッ」

 逆転バットに噛みつかれた瞬間、女子高校生は。

「うッ」と、顔をしかめた。


  ◇◇◇◇◇◇


 次の日──帽子をかぶって男子生徒に変装したヴィラン・ヴィラン学園の生徒ではない女子高校生の姿が、アダルトな商品を扱っている十八禁の店の前にあった。


 変装した女子生徒は、入店しようかどうしょうか迷っている様子だった。

 その女子生徒を、離れた場所の物陰から覗き見している、変態女性校医怪人【逆転バット】と、ザコ男子戦闘員の姿があった。

「行け! ほらっ、アダルトな店に入れ! あぁもう、じれったい」

 やきもきしている逆転バットの後ろから。

 全身黒タイツに赤いグルグル渦巻き模様が入った黒い覆面をかぶり……胸に『ザコ男子』と白地で書かれたヴィラン・ヴィラン学園の男子生徒戦闘員が。

「ヒューイ、ヒューイ」

 と、何か言いたげな様子だった。

「なに? なにか言いたそうね」


 逆転バットは、男子生徒戦闘員の頭に装着されている、脳内に服従波を発生させる金属リングのスイッチを切る。

「ヒューイ……先生、いいんですか? あの他校の女子高校生を、アダルトな店に入店させるように誘導しても?」

「いいのよ、あの子、先日誕生日で十八歳になったんだから……法律上は成人なんだから大丈夫……たぶん、バァット」


「はぁ、そんなもんですか……でも、どうしてあの子は急にアダルトな店に行きたくなったんですか?」

「あたしが首筋から『貞操観念を逆転させる薬』を注入したから……今のあの子は、さかりがついたサル思春期の男子生徒みたいに、エッチな衝動が止まらない……男の裸を見たくて、見たくて仕方がない状態なの」


 逆転バットの話しは続く。

「見ていなさい……そのうちに、部屋の目立たない場所にエッチな雑誌を隠して、母親に発見されるようなるから」

「やっと、疑問が解けました。貞操観念逆転の変態女子高校生を作るのが、今回の作戦目的だったんですね」

「次からはちゃんと渡された作戦計画を読んでね……あっ、貞操観念が逆転した女子高校生がアダルトな店に入ったぁ! バンザーイ! バンザーイ! はい、あなたは戦闘員にもどるバァット」


 男子生徒の服従装置のスイッチを入れると、男子生徒は「ヒューイ、ヒューイ」の奇声を発した。

 逆転バットは、取り出したメモ帳でターゲットの女子高校生を探す。

「さて、次はどの子を貞操観念が逆転した、変態さんに変えるバァット」


 その時──物陰に潜んでいた怪人と戦闘員に向かって攻撃がされて、爆風で怪人と戦闘員が吹っ飛ばされた。

「ヒューイ!?」

「いたたたっ、いったい何が起こって? バ、バァット?」


 風に吹き飛ばされた爆煙の向こう側から、横一列に並ぶ、赤、青、黄、黒、緑、ピンクの服を着た六人の女性が立っていた。

 六人は全員が爆乳だった。

「?」


 赤い服を着た、爆乳女性が言った。

「悪いヤツらは許さない! 爆乳戦隊オ・姉妹ジャー参上!」

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