第三十三話 お姉ちゃんとゆっくり休日
ちゅんちゅん……。
優しい陽が東の窓から部屋を白く照らして、朝の澄んだ空気に満ちている。
「ん……、あさ……」
お姉ちゃんを起こさないと……。
まだすーすー、と静かに寝息を立てているヒイロお姉ちゃんの肩をつんつんと軽く叩く。
「……おねえちゃん、あさだよ……」
「……んー……」
お姉ちゃんがぐーっと伸びて、半分まで目を開けると、僕を見て、
「……おはよ、ランくん……」
ふわりと笑ってくれた。
「おはよう、お姉ちゃん。ね、もう起きないと」
「……ん、あれ……? 今日ってギルドおやすみじゃなかった……?」
「あ。そういえば……」
「ふふっ。……ね、せっかくのおやすみだし、もうちょっといっしょに寝よ? おいで」
そう言って、お姉ちゃんは僕の首の下に右手を通して、腕枕みたいにしてくれる。
「……うん」
目を細めて、僕の後ろ頭を包むように撫でてくれた。
トワイライト・ルーラーと「陽暮」のお姉ちゃん 氷川 晴名 @Kana_chisa
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