第二十五話 ウォーリアー! 1
「どーしよっかなー」
ギルドの一階、依頼掲示板にて、ヒイロお姉ちゃんがパラパラと依頼書をめくっている。
「どう? ランくんは何かいい依頼見つかった?」
「僕も何も……。あ、これは? 『幻の果実を献上せよ』」
僕とお姉ちゃんは、世のため自分たちの生活のため、手頃な依頼を探している。
僕が見つけた依頼は、貴族が発行したとってもおいしいかもしれないっていう幻の果実を見つける依頼。
そんなに危険じゃないと思うし、報酬金が他の依頼と比べて多いし、いいんじゃないかな?
「うーん。納品依頼は見つからなきゃ報酬はもらえないからビミョーかな。それにその依頼発行してるのってセレス家でしょ。公の依頼は税金が重いから書いてあるほど報酬がもらえないんだよね」
それだったら、と、僕の前でピラピラと依頼書を見せて、
「こんな感じの個人依頼の魔物討伐が儲かりやすいかなー。標的は絶対にいるわけだし、税金はそんなに持ってかれないし」
と、言った。
納品依頼は目当てのものを見つけて納めないと、報酬はもらえない。
たしかに、生息地がわかっている魔物を倒した方が、危険もあるかもしれないけど、確実に報酬がもらえる。
それに討伐依頼は、魔物のせいで困ってる町の人たちがギルドに依頼をしているものか、ギルド発行の食物連鎖のための個体数管理がほとんどだから、貴族においしい思いをしてもらうための依頼よりは、町の人たちに貢献できるかも。
「たしかに。そっちの方がいいかも。えっと、じゃあ——」
魔物討伐依頼の中から選ぼうとしたとき、
「あの、『
と、受付のお姉さんが声をかけてきた。
そうですけど、とヒイロお姉ちゃんが言うと、
「実は『陽暮』にお願いしたい依頼があって——」
お姉さんは一枚の依頼書を見せてきた。
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ラン US〈相手の攻撃スキルの命中率が少し減少〉
SS〈ローリング・オーバー〉……味方の攻撃力と防御力を反転させる。もう一度使用すると元に戻る。
AS〈ソード・アタック〉……低威力技。
ヒイロ 『陽暮』
US〈相手と対峙した時、防御力がほんの少し上昇〉
TS〈リフレクション〉……ジャストタイミングで使用することで、近接攻撃を無効にし、二倍の威力にして相手に返す。
AS〈ソード・アタック〉……低威力技。
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