第8話 第7話の後

この話は第7話の続きです。


————————————————————


 「冬、大好きだよ」

「可愛いよ」

「うぅ」


俺は冬の耳元で囁いていた。

し・か・え・しをしはじめてから10分は経っただろう頃。

俺は早くも飽き始めていた。


「もう、許して」


と冬が言う。


「いいよ」


そう言い俺は冬から離れた。


「やっと終わった。たくさん褒められたりして恥ずかしかった」


と呟いている冬に俺は再び近寄り、後ろから抱きしめた。

所謂、バックハグだ。

バックハグが一番好きかもしれないなと俺は思った。


「ひゃっ⁈」

「またぁ?」


と冬は言うが俺は気にしない。

この可愛さには勝てない。

冬の後ろ姿を見ると無性に抱きしめたくなるのだ。


「ごめんね。俺、冬の後ろ姿を見ると抱きしめたい欲に駆られてしまうんだ」

「べっ別に嫌なわけじゃないよ?」

「?しってるよ?どうしたのかなぁ?」


「意地悪」

そう言い冬はほっぺたを小さく膨らませた。

そのほっぺたを俺は破裂された。

そう、ほっぺを揉んだのだ。


「にゃ、にゃに?」


ほっぺたを揉まれているためうまく喋れない冬が聞いてきた。


「いや、触りたいなぁって」

「ほっぺしゃわってゆとにげられひゃうよ?」


といい冬が逃亡を図る。

しかし、俺は分かっていたため、足で逃げられないように挟んでいた。

その挟む力を強くした。


「ひゃい?にげりゃりぇにゃい」


と冬が驚く。


「ふっふっふ。逃がさないよ?」

「みょうにげひゃいかりゃよわくしりぇ」

「いいよ。けど逃げたらどうなるか分かってるね?」

「ど、どうひゃりゅの?」

「まぁ、二の腕触りまくって、抱きしめて、キスしちゃうかも?」

「きしゅ!わらしにげひゅ」と言い冬がまたもや逃亡を図る。

俺はまた挟む力を強くする。


「キスされたいの?」

俺は冬の耳元で囁く。


「ひゅん。しゃりぇちゃい」

「じゃあ、いつかするね?だから今は大人しく抱きしめられてて」

「ほんひょ?」

「本当だよ」

「わかっひゃ。おちょなひくしゅりゅ」

「分かればいいんだ」


ていうかさっきからちゃんと喋れてないじゃん。

まあ俺の所為なんだけど。

可愛すぎる。


 俺は冬のほっぺたを揉むのをやめ、抱きしめた。


「はぁー可愛すぎる」

そう言い俺は冬の首元に顔を埋めた。


「んっ」と冬が声をあげた。


俺は抱きしめ続ける。


「もっもうそろそろ」


冬が止めるように言ってくる。


「やだ。もうちょっと」と俺は言う。


 





 気づいた頃には1時間が経過していた。

その間も冬は大人しく抱きしめられていてくれた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る