第24話 妹到来?!

「ねぇねぇ、どうする」


杏奈は朝起きてアップした動画を確認した所思ったより再生数が伸びて居た事に驚いて居た。結局夜はみんなでお泊まり会をする事になる。黒華はいつも1人でいて、騒がしくなった事に心の中で嬉しく楽しい気持ちだった。


「すげぇ、これで15万円近くは稼げるのか」


「え?現実のお金じゃ意味がないのでは?」


千夏はある疑問が頭によぎる。


「現実のお金を稼いでも、ゲームの中じゃ使えませんよね?」


「ん?普通に課金してお金を増やしたり、特殊なアイテムを買えたりする事が出来るよ」


「成る程。ですが、それでしたらお金を費やした方達が強くなる一方では?」


確かに課金をすればする程、他のプレイヤーより簡単に強くなれる。どのゲームも当てはまる事だ。だが、アドフリは課金だけじゃ強くなれないのだ。例え強力な武器を持っていようが、万能なアイテムを持っていようがやり込み続けたプライヤーには勝てない。アドフリはステータス値の他に素の身体能力も重要視される事が多く、沢山のモンスターを倒した経験を積み重ねてきたプライヤーと課金で簡単に強くなったプライヤーが戦えば前者が勝つ者が多い。千夏はその説明を聞いて関心したようだ。


「てか、お前らは本当に良かったのか?」


顔にモザイクかけずに投稿した。黒華も含めて千夏達は現実の世界とゲームの世界の顔はあまりイジっていなく、そのまんまの顔になっている。そんな彼女達の顔を世界に広まって良かったのかと心配になった。


「ウチは元から雑誌で晒されてるしね」


「ボクも構わないかな」


「私も別にって感じ。どうせランカーを狙ってるから遅かれ早かれ有名になるしね」


「あたし的に有名になった方が面白そう」


「黒華君達の話を聞いて、顔を出した方が儲けられるのなら安いもんです」


どうやら5人とも賛成のようだ。少し休憩した所だしゲームを始めようとヘルメット型ゲーム機を装着したタイミングでインターホンが鳴った。


「宅急便か?なんか、頼んだっけ?」


玄関に向かい扉を開けると大きなバックを持った中学生ぐらいの腰まで伸びている白髪の美少女が仁王立ちしていた。


「...え!セリアじゃん。何週間ぶりだな」


「お兄ちゃん、会いたかったよ!」


セリアと呼ばれた少女は飛びつく様に黒華に抱きついて居た。


「どうしたんだ?」


セリア=マーガレット。名前の通り日本とアメリカのハーフだ。セリアとは2つ下の子で兄の様に慕われている幼馴染なのだ。


「動画見たよ!我輩も入れたくれ」


セリアは5歳の時に日本に来てそこから日本語を覚えて居た。主にアニメで日本語を覚えてしまったのか一人称が我輩になってしまった。


「動画?なんの話?」


「アドフリ!我輩もしてるの」


「あぁ、そうなのか。だからそんな大きなバックを持ってるのね?」


どうやら一緒に遊ぶ為にバックの中にヘルメット型ゲーム機を持ってきた様だ。だがそれにしちゃ随分大きなバックだな。


「うん!これからここで住むの!」


「は?住む?」


「うん!ちゃんとマミーにも許可取ったよ」


セリアから手紙を受け取った。手紙の内容を読み上げる『コクちゃんと一緒にいたいと駄々をこねるので娘を預けます。現在娘はフリーです。好きな食べ物はコクちゃんの手料理、末永く宜しくね?』


「...」


なんて関連性のない文章なんだ。それに末長くってそんな娘の嫁入りみたいな事言っちゃって、どこでそんな間違った知識を覚えたんだ?


「うん、まぁ入って入って。詳しくは中で話そう」


「うん!...ねぇ、なんか靴多くない?」


「まぁ、学校の友達とか来てんだ」


「あ、そうなんだ。お邪魔します」


少し申し訳なさそうに表情でお邪魔する。リビングに入るとセリアの顔色が急に変わった。


「ねぇ、お兄ちゃんこの人達誰かな?」


「「「「「お兄ちゃん?!」」」」」


「えっと、あちらがお友達でこちらが俺の彼女です」


「...は?彼女?」


彼女と聞いてセリアは和樹を睨みつける。すると千夏達はセリアに群がって行く。


「ねぇねぇ、コーちゃんこの子は?お兄ちゃんって呼ばれてるけど、妹なの?」


「うんまぁ、妹みたいな存在だけど年下の幼馴染なんだ」


「へぇ〜ボクは出雲恋、宜しくね?貴方は?」


「セリアです。あの〜お、お兄ちゃんの彼女さん」


「へ?」


プルプルと泣きそうなセリアに、自分が泣かせたんじゃないのかと慌てる恋。


「え?!違うよ!ボクとコーちゃんは友達だよ!コーちゃんの彼女はあそこにいる、凛ちゃんと千夏ちゃんだよ」


「凛ちゃんと千夏ちゃん?2人?どうゆこと?」


セリアは目を丸くして恋が視線を移した方の2人を見渡した。


「えっと?日本って一夫多妻あるんだっけ?」


「ふふ、こんにちは妹さん」


「むっ」


千夏は握手を求めて来て、自分の兄を奪った相手を睨みつける。お互いが握手を交わして千夏はセリアの耳元で呟いた。


「大丈夫ですよ。いずれここにいる子達は黒華君の彼女になる予定です。貴方が本気で兄を愛しているのなら、いずれか貴方は黒華君の女になりますよ」


「え?」


「ふふ、宜しくね?セリアさん」


「...えっと、はい。よろしく..です」


そしてセリアと女神達は軽く自己紹介を交わした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

裏のある冴えないモブ男と5人の女神と意地悪な魔女と少し愛の重い義妹ちゃんとのラブコメ日常 ちゃんユウ @chanyuu777

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ