第23話 金が欲しい
「他に神殿探索してみるか?」
「何か宝ありそうだからね!」
凛は神殿の中をかけ走った。神殿の中を探索しても結局何も見つからない。本当に終わりだなと帰ろうとした時、恋が台座の所に飛び込んだ。
「うーん」
「恋?どうしたの?」
「ねぇ、コーちゃんここ壊して良いかな?」
「ん?恋が好きなようにすれば良いじゃん」
何故台座を壊したがるのかは分からない、隣で由香が目を細めて見ていた。
「何かあるんじゃないかな?」
「え?」
「恋はね勘が鋭すぎるのよ。多分台座の中?に何かがあるに違いない」
そう断言する由香は台座をガンガン殴る恋に視線を移した。すると台座の中は空洞になっていた中から小さな木箱が入っていた。
「コーちゃん!見て見て!本当に何か入ってたよ!」
「マジかよ」
豪運すぎるわ勘が鋭すぎるわ一体ウチの学校の女神達はどうなってんだ?木箱を開けると中にはペンダントが入っている。6人の頭上にメッセージウィンドウが現れる。
ーー隠しクエストーーーーーーーーーーーー
クエスト:帰りを待ち続ける男に会いに行こう!
解放条件:謎のペンダントを見つける
指定レベル:0
内容:第二の街『ルヴェルタウン』の近くの森のどこかに住んでいる男にペンダントを届ける
報酬
1、100000G
2、???
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「本当に隠しクエスト?」
杏奈はかんも隠しクエストをポンポン現れる事に隠し?の部分に疑問抱く。神殿を攻略した事に何かお婆ちゃんに変化があるのかと考え、始まりの街に戻った。門を潜った後から何故か視線が気になるが、気にせずに薬屋にたどり着いた。
「いらっしゃいませ...おや?貴方達は確か」
やはり変化はあるようだ。いつもなら『いらっしゃいませ、今日はどの御用件で?』と決まったセリフしか言わないが、黒葉達の顔を見た途端明るい表情を浮かべる。
「なるほど、私の息子の夢を代わりに叶えてくれたんだね。感謝するよ」
「感謝したいのは俺達の方だよ」
神殿の地図を譲ってくれ、伝説の職業まで授けるきっかけをくれたお婆ちゃんに感謝の気持ちしかない。
「君達冒険者様に感謝してるよ、息子の為に神殿を攻略してくれてありがたい。何かあったら私に言うんだぞ」
頭上に[bonus quest clear!!]と流れる。
ーーボーナスクエストーーー(クリア)ーーー
クエスト:店主からの感謝の言葉
解放条件:『神殿を攻略せよ!』をクリア後に薬屋の店主に会いに行く。
推定レベル:0
報酬
1、エクストラスキルの魔導本を買えるようになった。(神殿攻略した者限定)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちょうど今欲しかった報酬を貰えた。買い物一覧に確かにエクストラスキルの魔導本が売られてあったが
「一冊1億Gか...高すぎる」
パーティ全体の所持金を合わせても50万G[(7割は杏奈)しか持っていない。今の自分達じゃ買えなかった、本来なら普通のクエストをやって金を稼ぐのが当たり前だが、黒華達は報酬に金が無いばかりの裏クエストしかやっていなかったので、殆ど金は無いのに近い。
「フリーチューブで稼ぐ?一応神殿ボスのバトルは録画しておいたけど」
「フリーチューブ?なんだそれ?」
杏奈から聞き覚えのない言葉が出てきた。フリーチューブとは世界にアドフリのプレイを投稿して、反響があれば金を稼げるコンテンツ。
「良いんじゃね?」
ログアウトをしてそれから、杏奈が説明をしながら神殿攻略の時の録画を編集して投稿した。この時は知らなかった、まさか1日で100万再生されるとは、黒華達は知る由もなかった。
〜〜〜〜〜〜
<4時間?長すぎだろ!
<うわ、なんだこのめちゃくちゃ可愛いじゃねぇか!
<少しだけ見てみようかな
<あれ?!この人モデルの人だよね!
<ハーレムパーティかよ、うっざ。自慢してんのかな?死ねばいいのに
<女達が可愛いからそれだけ見よう
<は?バスに対してこいつらレベル低すぎだろ、ゴミかよ
<てか、この場所どこ?マップ確認しても編集で隠されてるし
それから最初はハーレムをしてる事、重要な所を編集で隠している所があって批判をする者が多かった。その事を黒華達は知らずに呑気に夕食を食べている。だが、再生数は着々と伸び始める。動画を見終わった者の意見は批判から称賛に変わっていく者が多かった。
<ありえねぇ、あのレベル差で勝ちやがった...
<てか、こいつらって噂のブラックローズ?
<スキルやステータス値じゃなくて、素の身体能力で避けてねぇか?バケモンかよ
<この回復術師MP量どうなってんだよ、ずっとヒールを打ちっぱなしじゃねぇか?
<本当に可愛いなこの子達
<今の避けるのかよ、怪物かよ
<やべ〜4時間もあった動画を気付いたら丸々一本見ちゃったよ
動画は神殿ボスを倒した所で止まった。黒華達の規格外なゲームプレイに世界中は驚いていたのだった。
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