第19話 神殿攻略!

「...強化の指輪ってこんなにドロップするんだ」


自分があんなに努力して一度もお目にかからない、強化のドロップをこんなに装着してる事に杏奈は千夏の豪運に静かに驚いていた。


「ここが例の神殿ですね」


千夏は地図を見ながら神殿に着いた。大きな5つの白い柱の真ん中に神殿がある。ここに向かう際にゴブリンは大量にスポーンしていたが、千夏のおかげで狙われる事は殆どなかった。


「推定レベルは20以上だったよな。杏奈がいてくれて良かったよ」


そして6人で相談して配置を決めた。凛と恋と黒華は前衛、由香が中衛、杏奈と千夏が後衛になる。千夏はシールドや仲間の防御力を上げれるので回復とタンカーのパーティの中の重要となる。

恋は今は陸上部だが小学生から中学生まで空手をやっていたらしいので、素の身体能力に期待だ。


「私も隠しクエストを体験させてくれてありがとうね」


「..昨日から思ってたけど、杏奈ってよく喋る様になったよね」


「そう?」


「だって、いつも1日に一言二言程度しか喋らないし」


由香は杏奈が本当はよく喋る事に少し驚いていた。

そして6人は神殿の中に入る。前に進んでとモンスターやトラップなどは居ない。奥に進むと大きな扉が立っていた。その扉を開けて入ると、自動でドアが閉まる。


「愚かな侵入者よ、ここに何様で参ってきた?」


すると真ん中の女神の銅像が喋り出した。台座の上から降りてこちらにゆっくりと歩いていく。


「伝説の職業とやらを貰いに来た」


「ほーう、ならはそれに相応しいか我が見極めさせて貰うぞ」


女神の銅像は速いスピードで、槍で凛を突き刺そうとするが、動体視力でその攻撃を避ける。攻撃してきた銅像に恋と黒華は瞬時に反応して攻撃する。


「うわ〜あまり効いてないようだね」


銅像なHPは8万近くある。今の攻撃だけで50ちょいしか減らせていない。黒華は速いスピードで赤雷撃を付与した剣で攻撃力する。銅像はその攻撃に当たって感電した。赤雷撃の感電にかかると素早さが30%ダウンして毎秒に10のダメージを喰らう。感電が解けるまでの時間は1分。また攻撃が当たれば時間はリセットされる。それに吸血スキルと相性が良くて吸収スキルは相手にダメージを負わせる度にステータスを吸収する。一度感電させれば相手の素早が低下して、吸収スキルのおかげで相手が弱体化し続けて、自分は強化され続ける。


「華君のその組み合わせ本当に強いよね」


「下方修正されないと願いたい」


一度も相手が感電すればMPは使わなくて済む。ギリギリまで相手を感電させて、再び攻撃を当てて時間をリセットするを繰り返す。


「それにして、こんなに攻撃してるのにまだ8割も行っていないね」


本来なら普通のプレイヤーならこんなに時間をかけると相手から攻撃をされゲームオーバーになるのだが、黒華と凛と恋は並み離れた身体能力のおかげで攻撃を自力で避けていたのだ。


「もうちょっと高火力を出せる前衛が欲しいな。次からは攻撃を上げてみるか」


6人ともは一度ハマって終えばやり切るまで辞められない。何時間掛かろうが女神の銅像を倒しに向かった。


「武具破壊!」

「聖気二連強斬ダブルススラッシュ!」

闇弾ブラックバレット

精霊魔法強化風矢エアアロー


武具破壊とは相手の防御力を10秒間だけ50%ダウンさせる。その間に凛、由香、杏奈はスキルを使って総攻撃した。全ての攻撃を当たった女神の銅像の後ろに黒華が回り込んで再び感電させる。女神の銅像は3割ぐらいのステータスを黒華に吸収される。


「お、第二フェーズって奴か?」


ゴブリンキングの時も同じだった。HPが半分以下に下がった時、ステータス値が上がる。だが今の状態のステータスを上昇しても黒華にステータス値を吸収されていたので、生えていても最初のステータスに戻っていくだけだった。


「やばっ!」


まさか感電をリセットしようと攻撃を当てようとするが、それが間に合わなく感電が解けて素早が元に戻り黒華を攻撃する。避けるのを間に合わなく焦る黒華の目の前に大きな盾が現れる。千夏のエクストラスキル聖なる盾を使ったのだろう。聖なる盾に攻撃をすれば一部の攻撃は完全に防ぐ事出来て、その攻撃の4割の威力で反撃する。


「本当、エクストラスキルってクソチートだな」


エクストラスキルは唯一無二のスキル。ただ自分だけのスキルってだけになる。何故そんな貴重なスキルをあの薬屋のお婆ちゃんが持っているのか疑問に思った。今度残りのエクストラスキルの魔導本を買えるか聞いてみよう。

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