番外編◆蓮さんの親友達④◆

◆◆◆◆◆

樹さんのお店である焼肉屋さんで1次会を終えた私達が次に向かったのは、ケンさんのチームの溜まり場でもあるクラブだった。

焼肉屋さんからクラブまでは歩いてすぐという事で、初代B-BRAND御一行様の大移動が始まった。

ただ歩いているだけにも関わらずこの集団はとてつもなく目立つらしい。

蓮さんと一緒にいればイヤでも注目される。

だから、私もこのたくさんの視線に慣れたと思っていたけど……。今日はいつも以上に注目されてる気がする……。

『あっ!!蓮さんとケンさんじゃない?』

『本当だ!!』

『あれ?一緒にいるのって颯太さん達じゃない!?』

『えっ!?マジ!?』

『なんで!?颯太さんって沖縄に帰ったんじゃないの!?』

『きゃー!!琥珀くんと樹さんもいるじゃん!!』

至る所から飛んでくるたくさんの声。

聞こえてくる声の大半は女の子達から上がる歓声だった。

……これにも随分慣れたと思ってたけど……。

さすがに5人に対する歓声は初体験だから……。

私がこの人達と一緒にいてもいいんだろうか?

そんな疑問まで浮かんできてしまう。

前みたいに暴言を投げ掛けられる事はなくなったけど……。

蓮さん達を見る女の子達の視線に私の身体は自然と後退りしてしまった。

……うん、ちょっとだけみんなから離れて歩こう。

気配を出来るだけ消して。

そうだ、空気。

ここは空気になりきろう!!

私は空気……。

私は空気……。

一生懸命自分にそう言い聞かせていたのに……。

「……おい、なに離れていってるんだ?」

私は蓮さんに腕を掴まれてしまった。

漆黒の瞳が不機嫌そうに見える。

そんな蓮さんに“みんなから少し離れて空気になりきろうと思っていました”なんて言えない私は

「……いや……別に……」

引きつり気味な笑みを浮べることしか出来なかった。

訝しげに私を見つめる蓮さんが、私の肩に腕を廻し引き寄せる。

必然的に私の身体は蓮さんの身体に密着する。

鼻を掠める香水とタバコの匂い。

私が1番安心できる大好きな香り。

「お前の定位置はここだ。フラフラしてんじゃねぇーぞ」

耳元で囁かれた言葉。

女の子達の歓声。

ケンさん達の楽しそうな談笑の声。

そして、繁華街に溢れる様々な“音”の中で、その声は鮮明に……そして甘く私の耳に響いた。

「……はい……」

私が小さく頷くと、不機嫌そうだった漆黒の瞳が満足そうに細められた。

◆◆◆◆◆

クラブに近付くにつれて、若い男の子の姿が目立ってくる。

独特の風貌に独特の雰囲気を纏った男の子達。

その男の子達がケンさんのチームの男の子だって事はすぐに分かった。

『お疲れ様です』

深々と頭を下げる男の子達。

その表情には微かな緊張感と嬉しそう笑顔が混在している。

そんな男の子達を見て、私は蓮さんの言葉を思い出した。

“ でもお前達に会えるなら他の奴らも喜ぶだろ”

……あぁ、こういう意味なんだ。

颯太さんと琥珀さんと樹さん。

彼らはB-BRANDの初代メンバー。

他のチームの事はよく分からないけど……。

ケンさんのチームはメンバー同士の信頼関係が厚い。

上に立つ人達は、常に下にいる人達の事を考えてるし

また、下にいる人達も常に上にいる人達の事を慕っている。

その基礎を作ったのは、蓮さん達初代メンバーなんだ。

きっと颯太さんや琥珀さんや樹さんも現役時代は下の人達からものすごく慕われていたに違いない。

それは、今も引き継がれてるんだって、男の子達の嬉しそうな表情をみれば私にも分かった。

そして、颯太さんや琥珀さんや樹さんも、嬉しそうに男の子達に話しかけていた。

週末のクラブはいつにも増して大盛況だった。

賑わうフロアーにはたくさんの人で溢れていた。

そんな店内を横切り、私達が向かったのはVIPルームだった。

VIPルームの中には見慣れた顔が並んでいた。

ヒカル

アユちゃん

葵さん

そして珍しくマサトさんの姿もそこにはあった。

「お疲れ様です」

他の男の子達と同じように深々と頭を下げ、出迎えてくれたのは2代目B-BRANDの№2ヒカルだった。

いつもと同じようにキビキビとした動きで私達を出迎えてくれたヒカル。

そんなヒカルの表情もまた他の男の子達と同じように嬉しそうにみえた。

そして、颯太さんや琥珀さんや樹さんもヒカルの姿を見て嬉しそうに表情を崩した。

「おう、ヒカル!!」

「久しぶりだな」

「元気してっか?」

ワサワサとヒカルを取り囲んだ颯太さん達が、一斉にヒカルに声を掛ける。

そんなに一度に話掛けられたらヒカルも困るんじゃ……。

そんな私の心配を他所に、ヒカルは焦る事もなく嬉しそうな笑みを浮かべたまま

「はい、ご無沙汰しています。お陰様で元気にやっています。」

模範解答的な返答を返した。

……さすがはヒカル……。

どんな時でも焦らず落ち着いて的確な行動がとれるヒカルを私は尊敬せずにはいられない。

そんな冷静沈着なヒカルを取り囲んでいる先輩方3人は、やっぱり嬉しそうな表情で、ヒカルの背中をバシバシ叩いてみたり、ヒカルの手を掴み半ば強制的に握手を求めてみたり、挙げ句の果てには、キレイにセットされているヒカルの頭を豪快に撫でてみたりと本当にやりたい放題って感じで……。

端から見ているだけの私の方がヒヤヒヤしてしまった。

だけど、ヒヤヒヤなんてしてるのは、どうやら私だけのようで

当の本人であるヒカルはもちろん、そこにいる全員が穏やかな笑みを浮かべてそのやりとりを見ていた。

それを見ていて私は思った。

ヒカルはこの人達にとって弟みたいな存在なんだと……。

いつだったか、アユちゃんから聞いたことがある。

ヒカルは元々別のチームに所属していたんだと……。

そのチームを潰したのが初代B-BRANDのメンバー。

蓮さん、ケンさん、颯太さん、琥珀さん、樹さん。

私には、その時の状況や経緯は分からない。

だけど、こんな風な関係を築く事は簡単ではなかったはず。

信頼関係を築くには、当事者同士の努力と長い時間が必要だと思う。それが、元は敵という関係だったら尚更。

今、こうして同じ空間でおだやかに笑い合えるこの人達を私は素直にすごいって思う。

一頻り、ヒカルをイジった……じゃなくて、ヒカルとの再会を喜んだ初代B-BRANDの幹部様達は、とも満足そうな表情で他の人達とも再会の挨拶を交わしていた。

「アユ、相変わらずヒカルとイチャついてっか?」

颯太さんの遠慮のない質問に

「はい、思う存分」

ニッコリと笑みを浮かべて答えたアユちゃん。

「葵ちゃん、ケンの焼き肉好きには苦労するね」

同情気味の樹さんに

「えぇ、そうなんですよ。でも、ケンから焼肉を取り上げたら大変な事になっちゃうんで……もう、諦めてます」

「お気の毒に……」

樹さんと葵さんの会話にケンさんは、赤くなったり、青くなったり大忙しだった。

「マサト!!」

嬉しそうな声をあげた琥珀さんが、一目散にマサトさんに近付いた。「久しぶりだな、おい!元気してっか?」

蓮さんやケンさんよりも長身のマサトさん。

一方の琥珀さんは初代メンバーの中でもいちばん小柄な体格。

2人の身長差は10センチ以上ある。

しかも、片方は厳つい強面。

そして、もう片方は幼なさの残る童顔。

何もかもが相反する2人。

……なんか、ミスマッチな2シヨットだな……。

そんな失礼極まりない事をチラッと考えていると……

「あの2人、現役の頃からすげぇ仲がいいんだよ」

突然、聞こえてきた声に私の身体はビクっと揺れた。

「……!?」

慌てて視線を上げると、蓮さんが私を見下ろしていた。

「お前、今あの2人を見てミスマッチだと思っただろ?」

「そ……そんな事」

「そんな事?」

「思っていません!!」

「やっぱり思ってたんだな」

「……!!」

こんな時でも、蓮さんの人間離れした能力は健在だった。

……そして、私の妙な癖も……。

「なぁなぁ、マサト……」

「うん?」

嬉しくて堪らないって感じでマサトさんに話しかけてる琥珀さん。

……あれ?

今、琥珀さんのお尻にしっぽがあるように見えたんだけど……。

目の錯覚だよね?

嬉しくて堪らないって感じの琥珀さんを何かに例えるとしたら

私は間違いなく“犬”だと答える。

久しぶりにご主人様と再会できた犬。

……てか、もう琥珀さんは嬉しさのあまりしっぽをパタパタと振る犬にしか見えない。

そして、ワンちゃんに纏わりつかれているマサトさんも、ご主人様スマイルを浮べつつ琥珀さんを見下ろしている。

……この2人って……

かなりナイスコンビじゃない!?

「……お前、見過ぎじゃねぇーか?」

蓮さんからそうツッコまれても、私は“愛犬とご主人様”な2人から視線が逸らせなくなっていた。

◆◆◆◆◆

クラブのVIPルームで始まった2次会。

さっきより人も増え、賑わっていた。

溢れる楽しそうな笑顔に、私も自然と笑みを零していた。

クラブに到着して1時間程経った頃、突然VIPルームのドアが勢い良く開いた。

笑い声と会話がピタリと止み、自然とそこに集まる視線。

『すみません!失礼します!!』

そこに立っていたのは若い男の子だった。

ケンさんやヒカルと話しているのを何度か見たことがある。

それに、私が初めてケンさんやヒカルと会った日。

路地裏で蓮さん達が待ち伏せされた時に、私にキャップを買って来てくれた人。

……確か……名前は……。

「どうした?ハヤト」

そう、そう!!それだ!!

うん、蓮さんもそう呼んでた。

不思議そうなケンさんに尋ねらた、ハヤトは一礼してからVIPルームに足を踏み入れた。

そして、ケンさんとヒカルに近付くと、小さな声で何かを報告し始めた。

その表情は強張っているように見える。

それが緊張の所為なのか……。

それとも……。

ハヤトの話を聞くケンさんとヒカルの表情がどんどん険しくなり、眉間には深い皺が寄っている。

……なにかあったのかな……。

「……分かった」

ハヤトの話が終わるとケンさんが頷いた。

それから、ケンさんは隣にいるヒカルに小さな声で何かを告げた。

「はい」

立ち上がったヒカルがハヤトと一緒に足早にVIPルームを出て行く。2人の背中を見送っていると

「ケン、何かあったのか?」

蓮さんが尋ねた。

「ん?まぁな……」

みんなの視線を受けたケンさんはニッコリと笑みを浮べたけど、その眼は全く笑っていなかった。

「なんだ?どうした?」

颯太さん達も何があったのか気になるようで……。

ケンさんの言葉を待っているようだった。

「ちょっと調子に乗り過ぎているお客様がご来店されてるらしい」

……調子に乗り過ぎているお客様?

それってどういう意味だろ?

私は、頭を捻ってみたけど……。

ケンさんの言葉を理解する事は出来なかった。

だから、近くにいた葵さんの洋服の裾を引っ張った。

「……葵さん」

「ん?美桜ちゃん、どうしたの?」

小さな声で葵さんの名前を呼ぶと、葵さんも小さな声で答えてくれた。

「“調子に乗り過ぎてるお客様”って……どういう意味?」

「あぁ……多分、別のチームの人達がここに乗り込んできて暴れてるんだと思うよ」

驚きの事実を教えてくれた葵さん。

その表情には緊迫感なんてものはなく、むしろいつもと同じように無邪気な笑みを浮べている。

口にした言葉と表情が全く伴っていない。

「は?」

驚きを隠せない私と

「うん?」

そんな私を見て不思議そうに首を傾げる葵さん。

「……ねぇ、葵さん……」

「なぁに?美桜ちゃん」

「……それってかなりヤバイ状況なんじゃ……」

「ヤバイ状況?……まぁ、ヤバイって言えばヤバイかもだけど……でも……」

「……?」

「大丈夫なんじゃない?」

「えっ!?」

「うん、大丈夫だよ。きっと……それより、美桜ちゃん飲んでる?これも、美味しいよ。飲んでみて?」

淡いピンク色のカクテルが入ったグラスを差し出してくる葵さん。

その満面の笑顔にそれ以上何も言う事が出来なくなった私は、仕方なくそのグラスを受け取った。

「ちょっくら注意してくるわ」

ケンさんは立ちあがるとVIPルームを出て行った。

「なぁ、蓮」

タバコの煙をゆっくりと吐き出した颯太さん。

「ん?」

「まだケンカを売ってくるチームがいるんだな」

「あぁ、こればっかりはどうにもならねぇーよ。1つのチームを潰して吸収したとしてもすぐに次のチームがケンカを売ってくる。俺達がこの繁華街のチームを完全統一したと言っても、それを聞きつけた県外のチームがケンカを売ってくんだ。まぁ、敵が完全にいなくなる事はねぇーだろな」

「……なるほどな」

そう言った颯太さんの声がさっきまでより低くなってるような気がした。

「……てか、その“お客様”って何人ぐらいいんの?」

琥珀さんがダルそうに首を廻しながら、隣にいるマサトさんに尋ねた。

「さぁ?よく分かんねぇーけど、さっきハヤトは“20”とか言ってなかったか?」

「……20か……」

「あぁ」

「俺達もナメられたもんだよな」

「ん?」

「だって、あれじゃん。今日、ここに乗り込んできたって事は、俺達も来てるって分かってて来てるんだろ?」

「あぁ、そうだろうな」

「それで“20”はねぇーだろ?」

「……」

「それって、やっぱ、『20人もいれば十分だろ』ってな考えなんだろ?」

「多分な」

「ほら、やっぱり!!」

琥珀さんが悔しそうな声をあげた。

「おい、琥珀」

そんな琥珀さんに声を掛けたのは、樹さんだった。

「なんだよ?樹」

「俺達が現役を引退してどんだけ時間が経ってると思ってんだ?引退すればそうなるのは仕方がねぇーんだ」

「でも!!」

「いいから、お前は大人しく飲んでろ」

樹さんは琥珀さんを宥めながら立ち上がった。

「……おい、樹。お前、どこに行こうとしてんだ?」

「……ちょっと……」

蓮さんに尋ねられた樹さんが気まずそうに口篭った。

……?

「あっ!!お前、まさか……」

何かに気付いた様子の颯太さん。

そんな颯太さんの顔を見ていた琥珀さんが

「あー!!樹。てめぇ、自分だけちゃっかり参加しようとか考えてんだろ!!」

不服そうに叫んだ。

「……相変わらず冷静な顔して血の気が多いな」

蓮さんは苦笑している。

「樹が行くなら俺も行く」

……はい?

「仕方ねぇーな。お前達がどうしてもって言うなら俺も……」

……えっ?

立ち上がった初代B-BRANDの幹部様達。

みんな瞳がキラキラと輝いている。

……皆様、行く気満々なのね……。

その幹部様達の視線が一斉にマサトさんに向けられた。

「もちろん、マサトも行くだろ?」

「……俺は……」

マサトさんは戸惑い気味に蓮さんに視線を向けた。

その理由が私には何となく分かった。

それは、マサトさんの今の立場上の問題だと思う。

マサトさんも元は初代B-BRANDの幹部様。

だけど、今は神宮組の幹部。

もし、マサトさんがなにか問題を起こせばそれは、蓮さんやお父さんに迷惑が掛かってしまう。

それをマサトさんは気にしてるんだと思う。

「あ!!顔がバレたくねぇーなら……」

そう呟いた琥珀さんが自分のバッグの中をガサガサと探り、徐にマサトさんに近付いた。

琥珀さんの手にはバッグに入っていたタオルが握られていた。

……タオル?

一体、何に使うんだろ?

「ほら、こうすれば全然大丈夫だろ?」

琥珀さんは、マサトさんの鼻と口辺りにタオルをあててタオルの両端を後頭部でキュッと結んだ。

「琥珀、ナイス!!それなら、全然マサトだって分からねぇーよ!!」

得意気な琥珀さん。

満足気に頷いている颯太さんと樹さん。

そして、タオルを顔にまかれてしまっているマサトさん。

タオルの脇から覗くマサトの目がとてっもなく困っているように見える。

……いや、いや……。

それってかなり無理があるんじゃ……。

マサトさんだってすぐに分かるし……。

「なぁ、蓮。これならマサトの面【ツラ】がバレる事もねぇだろ?」

こ……琥珀さん!?

それを蓮さんに聞いちゃうの!?

私よりも蓮さんとの付き合いが長いはずの琥珀さん。

……って事は、蓮さんの性格をよく知っているはずなのに……。蓮さんは、絶対に嘘を吐かない人。

ううん、嘘が吐けないって言った方が正しいのかもしれない。

マサトさんだってそれがイヤってくらいに分かってるからこんなに困った顔をしてるんだと思う。

「……いや……どうみてもマサトだろ……」

「はぁ!?なに言ってんだよ?蓮」

納得できないって感じの不服そうな声を上げたのは琥珀さん。

「そうだよ、蓮。この変装はどう見ても完璧だろ?」

琥珀さんに加勢するように意見した颯太さん。

そして、樹さんまでもが颯太さんの意見を肯定するかのように頷いている。

……いや、いや……。

どうみても完璧ではないし……。

内心そう思うんだけど……。

私にはその言葉を口にすることが出来なかった。

そんな勇気が私には無かった。

大の大人の男の人達が、こんなにも必死になってる。

しかもその理由が、乱闘騒ぎに参加する為なんて……。

私には口を挟む余地も勇気もなかった。

「……いや、残念だけどこの変装は完璧でもなんでもねぇーよ。……てか、変装にすらなってねぇーし……」

「……なっ……」

「おい、マサト」

蓮さんは愕然とする琥珀さんからマサトさんへ視線を向けた。

「うん?」

口元をタオルで覆われたマサトさんの声はくぐもっていた。

……マサトさん。

そんなモノ巻いて、息苦しくないの?

早く取っちゃえばいいのに。

「お前は今、仕事中じゃねぇーだろ?」

「……?あぁ……」

「だったら、自分の好きなように行動していいんじゃねぇーのか」

「……」

「……もし、親父にこの事がバレたら……」

「……?」

「一緒にすっ呆けてやるよ」

「……蓮……」

蓮さんの言葉にマサトさんは嬉しそうに瞳を輝かせた。

「……でも……」

「……?」

「嫁さんにバレた時は素直に謝れよ」

「……それが一番大変そうだな」

マサトさんは困ったように頭を掻いた。

「よし、そうと決まれば早く行こうぜ!!」

「早くしねぇーと、楽しみをケンに全部持っていかれちまう」

そんな言葉とともに初代B-BRANDの幹部様達はVIPルームを出て行った。

幹部様達の中心には元トップである蓮さんの姿もしっかりとあって……。

……蓮さん……。

あなたも暴れる気満々なのね?

私は呆然とみんなの後姿を見送ることしか出来なかった。

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