第6話 ポッキーゲームとバニーガール


 は!


 気がつくと、文学部であった。時間は昼休み後半。英語の時間から文学部に居たがいつの間にか寝てしまったらしい。午後の授業に間に合ってよかった。


 これでも、優等生である。英語以外の科目は問題なく受けるのであった。購買のパンも売り切れた可能性が高い。

 

 仕方がない、お昼抜きで授業を受けるか。


 うん?周りを見回すと。綾乃さんがポリポリとポッキーを食べている。欲しい……。空腹の俺にはポッキーは美味しそうに見えた。


「欲しい?」


 綾乃さんが余裕の表情で問いかけてくる。その瞳は妖艶で、俺の心を見通している様子。


「はい……欲しいです」

「なら、ポッキーゲームしよう」


 はい?ポッキーゲーム?あのカップルしかしないと、言われるゲームである。


 綾乃さんは一本のポッキーをくわえて目を瞑る。おれの心情は胸が高鳴り、どうしていいか分からないのであった。食べるのか、食べるのか?すると、奈菜さんがポッキー食べ始める。


「ちょっと、奈菜、何をするの?」

「えへへへへ、邪魔してやった」


 どうやら、ポッキーゲームはお預けらしい。


***


 日常に疲れているのと、日常がつまらないとは似て非なるものである。例えば簡単に死にたいとか言うのは後者である。


 しかし、過度の過労でも死にたいと言う。要は死にたいのである。


 それで世界の終わりが来るという。不発弾である。未知の科学で作られた、不発弾が見つかったのだ。


 ここで話を整理する為にブラックホール爆弾としょう。爆発するとブラックホールが現れて地球は粉々になって吸い込まれるのである。


 このあいだ、来た学者は中身の質量は猫、程度なのでそれは無いと言っていた。


 では、何かと聞いたら解らないと帰ってきた。


 やはり、ブラックホール爆弾だ。


 大体、スーツを着た外国人が警護しているのだ。学内で噂の一つも立つ。そこで便利なのがブラックホール爆弾である。


 試しに噂を流してみると完全にブラックホール爆弾となった。


 しかし、学者とは難儀な生き物である。


 数カ月以内に爆発すると研究してしまったのだ。


 その理由がバカバカしい事に見つかった、時にショベルカーで、ガリガリしてタイマーらしきモノが動き始めてしまったのだ。


 流石にこの事はトップシークレットだ。


 さて、話は戻るが死にたいかである。放課後、文学部の部室内で音楽を流しながら、本を読む、死にたいとか忘れそうだ。


「あー戻ったぞ」


 奈菜さんと綾乃さんがバニーガール姿で部室に入ってくる。


「今日はなんのイベントですか?」

「文学部主催の推し本販売会だ」


 わたしの問に奈菜さんが答える。どうやら、この部室にある本の買う為の資金調達である。


 このままでは、バニーガール部になりそうだ。



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