Case 10ー2 わたし
私は、大人しくて内向的は子どもだった。
なんだかわからないけど、とにかく恥ずかしがり屋だった。
すぐに顔が真っ赤になった。
赤面症を治す手術があるならしたいと思っていた。
自信がないことを人前でやるのは、イヤだったし、自信があることでも、わぁ!すごいね~!なんてみんなから注目されるのも、すごくイヤだった。
だから、誰からも特に気にされないくらいの、平均的な普通の人って感じが理想だと思っていた。
中学時代は、目立つ人気者のグループでもなく、もの静かで時にイジメられたりするようなグループでもなく、普通の人たち5人のグループに混ざっていた。
5人でいるから、誰かが欠席したりしても、別に困らないし、音楽や体育とか教室から移動する時も一人ぼっちってことはなかった。
社会見学とか修学旅行とか、自由に班を作ってもいいですよ~って言われれば、さっとまとまれて友達がいないなんて思うことはなかった。
高校も、大学もそんな感じで、いつも数人の友達がいた。
今でも、学生時代の友達と集まって飲み会をしたりしている。
だけど、親友と呼べる人は、一人もいない。
基本、3年とか4年とか、そういう区切りをつける間柄だから。
会社で仲良くなった同僚とも、プライベートで2人っきりで、たとえば旅行に行くような、そんな仲の人はいない。
結婚して、子どもが出来てからは、ママ友はたくさん出来たけど、それも幼稚園、小学校、中学高校とかの間だけの付き合い。
親友……
ほしいと思ったことも、ないけれど、みんな1人くらいは、無二の親友と呼べる友達がいるのだろうか……
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