Case 9ー1 美和

 美和は私の妹。

私たちは2人姉妹で、小さい時からとても仲が良かった。

大人になってからも、一緒に海外旅行へ行ったりもしたし、仲が良い。


私は、美和のことを、いつも羨ましいと思っていた。

人見知りの私とは違って、活発で人気者だった。


小学校の頃、一緒にスイミングに通っていた。

3才差があるのに、あっという間に私と一緒の級に進級した。

大会に出れば、大会新記録のタイムを出したり。

親も周りも期待した。


でも中学生になって、水泳はあっさりとやめて、バスケ部に入った。

初心者だったけど、バスケも上手くて、2年の時には3年生の先輩を差し置いてレギュラーに選ばれていた。

高校でもバスケを続けた。


そんな美和が高校卒業後の進路で、調理師の専門学校に行くと言う。

何になりたいとか、何をしたいとかも決められず、とりあえずな感じで大学に入った私とは違って、美和は調理師になりたい!って明確なビジョンがあるんだってことがすごいな~と思った。

調理師の専門学校で、調理師免許を取って、卒業後は身体が不自由な子ども達が通う養護施設の給食を作る仕事に就いた。


四駆の車を買い、スノーボードを始めた。

当時は、まだスノーボードは知名度が低い時代。

シーズン中は毎週末、山へ行き、スノーボードをしていた。

3年くらいそんな生活が続き、スノーボードのインストラクターの資格を取った。


養護施設を辞めて、スキー場近くの有名なホテルで住み込みでバイトを始めた。

昼間は、スノーボード教室で小さな子どもたちにスノーボードを教えて、夜はホテルの調理補助をするのだと言う。

ハードな毎日。

でも、好きなことをしているし、若さで突っ走っていたのだろう。

夏は、マウンテンボードというものをやったりしていた。

そんな住み込みバイトも3年目のシーズン終わり頃、スノーボードでコケて腕のじん帯を切る大怪我をした。

病院に駆け付けて、手術後 見せてもらったが、ガッツリ30センチくらい切られていて、傷口が痛々しかった。

ハーフパイプでエアをかまして、着地失敗して、へんな手の付き方しちゃったんだよね~と笑っていた。





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