第3話 戯曲 ~いたずらな精霊たち~

 

 二人の精霊は、地に降り立った。


「退屈だったー! 」

「俺も、退屈でしかたなかった」

「.......私は、アマレは小さい頃いたずらな子供だったんだと思う」

「.......え?」

「だって、一人ぼっちで寂しいうえに何もない世界。喜びも悲しみもない」


 納得して、メルは頷いていた。


「お前って、そういう風に考えられるんだ」

「馬鹿にしてるのね、メル。嫌いじゃないわ」

「いや、思っただけ」



「どうか、見守っててくださいねアマレ様」


 突然にもインディスは、天に向かい手を組んだ。


「何してる?」

「見ればわかるでしょ、アマレと話してるの」

「.......そうか」



自分が過去に憎んだ相手に祈るのは気が引けたので、メルは見ていた。

 

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すべての闇が虚空であった時 slime @umbrella55

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