初級モード 4
「集会の開催」というコマンドがあった。
これをストーリーに入れてみた。
すると、探偵役は生存している登場人物すべてを一堂に集める場面が挿入された。
今から犯人を当てます! という場面になった。
ミステリの答え合わせの場面と言ってもいいだろう。
いわば、読者への挑戦状のシーンだ。
しかし、このコマンドを入れた途端、またも点数が激減した。
「ノックスの十戒の1つ、『探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない。』これに違反しています。」
集会の開催は、いわば答え合わせ。それまでに謎を解くすべての手がかりを本文中に書いておかないといけないのだ。探偵だけが知っている情報で事件を解決してはいけない、ということらしい。
探偵が犯人当てを開始する前までの場面をよく読めば、読者も探偵と同じように犯人や真相が分かる。そうなっていないといけないということだ。
俺は、事件解決に至るために必要な情報を本文中に十分に出していない、と判定されて低評価となってしまった。
これもさじ加減が難しいよな……
情報を提供しすぎると読者に真相が簡単に分かってしまうし、情報を出さなすぎるのもアンフェアになってしまう。
ミステリとは、「作家VS読者」の戦いの物語でもあるのかもしれない。
正々堂々、フェアに戦わないといけないわけだ。
結局、俺はミステリーツクールの「初級モード」を攻略することができなかった。
しかし、やり込めば、いずれは高得点が取れるようになるだろう。
息抜きとして、俺は「上級モード」がどうなっているか、見てみることにした。
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