現実主義のオレなのに、魔王から幼馴染を助けるハメになった件！

　鳩村ギンタは陸上部のエース、体力に自信があることと、ノンフィクション作家の父親の影響で作り話や空想などを無駄に否定する以外、普通の高校生。（蛇が大嫌い）
　ある日、幼馴染の女の子・姫木シノブ（ギンタと反対で作り話や空想が大好き過ぎ）に頼まれて学園祭の劇の稽古に付き合っていた。
　劇の内容はシンプルに魔王に攫われた姫を主人公のナイトが助けるという物語。その姫の役は勿論シノブだ。
　シノブは魔王の侵略を止めさせるために交渉する場面に差し掛かると、

「では、我のものなれ」

　と、ギンタとは違う男の声が聞こえたかと思えば、シノブが持つ本から本当に魔王が現れシノブを連れ去ろうとしてしまう。
　ギンタは何とかシノブの左手に付けられたミサンガを掴むがそのまま一緒に本の中へ吸い込まれてしまった。

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