第11話 魔物のくせに生意気だ その3

 ゴーストのブレスを避けた俺は、聖剣エスカーナを握りしめ、ゴーストに向けて突きを入れた。


 咄嗟とっさの出来事だ。不意を突かれたせいもあり、体勢が崩れていた。だから、ゴーストに、かすめる程度のダメージしか与えられなかった。すると、俺に【呪い(小)】が発動した。


 俺はこいつのブレスをかわしたはずだ。なのに、なのにだ。


「身体が痺れるぞ。なんだこれは!?」


『これは攻撃してきた対象に呪いをかけちゃうスキル、呪い(小)ですね。術者に攻撃をしかけると、固定ダメージを継続的に受けてしまうそうです。早く倒さないと大変なことになりますよ』


「なら、必殺技で……」


『だから~、だめですってば、エッチできなくなるから、嫌ですぅ~』


 この隙を狙ってか、ゴーストが、スキルを唱えだした。ゴーストの瞳が赤く光った。


【ダークシールド】


 薄っすらとした黒いもやがゴーストの身体を包み込む。


「こいつ、何を唱えやがった?」


『それはですね、えーと、自身が動けなくなるかわりに物理ダメージを100分の1に抑えることができる防御スキルのようです。あわわ~、これは大変ですよぉ』


「な、なんだと!!」


 そして、俺は聖剣エスカーナで何百回も斬りつけることで、ゴーストを倒すことに成功した。もちろん、呪いのダメージを受けながら……。


☆☆☆


 俺は大の字になって寝転がった。草と土の匂いが、気持ちいいなぁ。もう、働くのはやめだ。俺は寝る。今から寝るからな。


『竜也さん~、無視しないでくださいよぉ、ああっ!! 分かりました。これは放置プレイなんですね。うううっ……なんだろう、冷たくされちゃうと濡れてきちゃった。あううっ、なんだか、我慢できないよぉお。あそこが、ほしい、ほしいって、もうここでもいいからエッチしましょうよぉ~』


 人型になったエスカーナは白のワンピースをゆっくりと脱いでいく。ブラも外し、上半身裸となって、ぷるんっと勢いよく二つの双丘そうきゅうがこぼれ落ちた。色つやもよく、形も整っている。大きくもなく、小さくもない、ほどよい美乳といえるだろう。だがな、こいつは、けがれを知らない無垢むくな少女に見えるだろうが、それは外見だけだ。こいつは、愛欲あいよくにまみれた駄目天使だめてんしだ。


 俺はもう疲れた。少し休ませてくれ。ヤル気力も、話す体力もないんだ。


 だが、エスカーナは俺を無視して、


「では、これから、胸とお口でご奉仕しますね」


 俺のズボンと下着を降ろし、反り立った性剣せいけんを胸で挟みこみ、エスカ―ナは優しくしごいてくる。


「んんんっ、んふぅうっ……んんっんんぅ……んっ…んんぅ…れろっ… 」


 ああ、俺の性剣せいけんが癒されていく。だが、俺を待ち受けていたのは――


 あれはなんだ。


 ……俺の真上を黒いマントが重力を無視して、傍若無人ぼうじゃくぶじんに飛んでいる。しかも結構な速さでだ。よく見るとマントの裏、その部分に目のようなものがあった。空飛ぶマントの妖怪、そんな感じだ。


 俺は、ぼーっと見ていた。すると、空飛ぶマントと目が合った。


「ウリィ?」


「よっ!」


 フレンドリーに挨拶してやったら、


「ガアアアアアアッ!!」


 もちろん、襲いかかってきた。


☆☆☆


 今日の収穫はこれだ。


 ☆ダークナイトの鎧。

 

 1000年に一度現れる絶望を振りまく悪魔、ダークナイトの鎧。世界を破滅に導く後継者を探している。装備することで闇耐性吸収、物理耐性LV7、速度強化LV7、必殺技、ダークエターナルフォースを覚えることが可能になる。装備するには悪行値2000以上が必要。


☆ダークナイトの兜。


 1000年に一度現れる絶望を振りまく悪魔、ダークナイトの兜。世界を破滅に導く後継者を探している。装備することで肉体強化LV7、魔法強化LV7、スネークバインドを覚えることが可能になる。装備するには悪行値1000以上が必要。

 

☆ダークナイトのマント。


 1000年に一度現れる絶望を振りまく悪魔、ダークナイトのマント。世界を破滅に導く後継者を探している。装備することで火耐性LV7、風耐性LV7、雷耐性LV7を覚えることが可能になる。装備するには悪行値1000以上が必要。

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