第4話 エンドロール

◆ ◆ ◆ ◆ 数年後 ◆ ◆ ◆ ◆


「パシャッ、パシャッ、パシャッ」


辺りからカメラのシャッター音が鳴り響き、フラッシュが何度も光った。


ここは、東京の取材会場だ。


「大和さん日本人で初の、ダンジョン30階層を単独クリアについて一言下さい。」


 そう、僕はあれから数年で、日本人でトップクラスの冒険者になって、日本中いや世界中から一目おかれる存在になったのだ。ダンジョンでの収益は1日もぐれば、もはや1千万は軽く超えた。それもこれも、数年前に、ダンジョンマート金沢店で、『スフィンクスの召喚石』をドロップしたのがでかかった。


 あの後、ネットで調べてみたら、通常のモンスターの召喚石のドロップ率さえ、0.01%程しかなかったのだ。ボスの召喚石ともなれば、さらにそれ以下である。召喚石は、通常のモンスターでさえ数百万もする。あの時売却していただけでも、一生遊んで暮らしていけたかもしれない。でも、僕はこれでダンジョンを冒険することを選んだんだ。

 

 結果的にいうと、『スフィンクスの召喚石』は大当たりだった。通常の召喚石も結構数がでたし、それの売却益で、遠征の費用を作ったりした。母さんにも心配させたので、父さんと一緒に世界一周旅行をプレゼントしたりして、親孝行させてもらっている。


 あの時、ダンジョンに潜ったことで僕の人生は一転したんだ。


「ごほん。僕は、高校を中退して、しばらくニート生活をしていました。仕事をせずにダンジョンに潜ってました。でも、ダンジョンには、学歴も容姿も成績も関係ありません。日本にいる誰もが僕の用にダンジョンで成功できる可能性があります。


 みなさん、あきらめずにまずは一歩を踏み出してみましょう。一歩踏み出せさえすればそこには大きな成功が待っています。辛い事もあります。めげそうなこともあります。でも、踏み出して進んだ先にはなにもにも得られない達成感がそこにあります。


 さぁ、若人よ。ダンジョンに入って冒険しよう。」



◆ ◆ ◆ ◆  完 ◆ ◆ ◆ ◆


ご愛読ありがとうございました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【短編】ダンジョンニートとスフィンクスの召喚獣 ぺんぎんさん @konoeai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ