第16話 この世界は誰のもの

 創造主は神々の世界に似せてこの世界を創られた。

 どのような目的で作られたのかは我々が知ることは無いが、その目的が達せられた後、創造主はこの世界を無くしてしまおうとされた。

 それを勿体無く思った娯楽神が、神々の遊び場として活用しようとした。アバターと呼ばれる仮の身体を用いて魔物を狩るという遊びの為に、魔物が生まれた。

 次に魔族が造られ、ヒト対魔族という構図が作られた。

 しかし、そのような在り方に異を唱える神が現れた。「この世界に住むヒトも魔族も作られた者ではあるが、知性を有している。それを好き勝手に消費してはならない。この世界はこの世界の住人に与えるべきである。」と公言し、神々のアクセスに制限を設けた。それが女神アリピュア。管理者である。アリピュアはこの世界に監視者を置き、神が直接的な干渉は行わないようにした。各地域にある神殿の女神像はアリピュアがモデルである。

 一方この世界の知性を持つ者は結局神々の真似をするだけだった。つまり、ヒト対魔族の構図は変わらなかった。だが神々が手を引いた為バランスが狂い、ヒトは滅亡に向かって突き進む事になった。

 それを憂いた、監視者の一人が、ヒトに勇者をあたえたのだった。その監視者が、光の魔導師シャイナーである。


 勇者の力とシャイナーの導きによりヒトは滅亡をまぬがれた。人々はシャイナーを崇め、シャイナー教団が生まれた。


 シャイナー教団は勇者と共にある。勇者とはシャイナー教団が認めた者であり、それ以外の自称勇者や周りから勇者と持て囃されているだけのものは異端とされ教会からの攻撃対象となる。


「私の知っているシャイナー教団のことってこんなところかしら。」

「そうだな。加えるなら、教団自身が武力を持っていて、積極的に魔族の排斥を行なっているということかな。」

「ココは此処に居るということね。」

「ああ。ココが魔族だとわかれば殺されてしまうだろう。」


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