間話4 鬼岩城 4

「あれっ。ここは?」

俺達の話し声でコーデリアも目が覚めたようだ。

 そして周りを見回し、勇者を目にするなり身構えた。


「大丈夫。何もしないよ。」

「ヒトの勇者が何を言っている。」

 コーデリアは余計怒り立った。


「わしの家で騒ぐでない。」

 俺は威圧をかけた。

 コーデリアは画面蒼白になりながらもこちらを睨みつけて来た。しかしここが俺の家で、どうやら自分を助けてくれたらしい事に気がついたようで、急に萎れて「ごめんなさい」と謝って来た。


「起きたばかりで混乱しておるじゃろう。とりあえずわしの知っている事だけ説明してやるわい。」

 俺はコーデリアが魔力暴走して気を失った事。スライムが崩れかけの城からコーデリアと満身創痍の勇者を最後の力で転移させた事。それを俺がここに連れてきて治療したことなど、嘘と事実を織り交ぜながら説明した。


「そうですか。ありがとうございました。魔導師様。

 あの、スライムさんはどうなりましたか?」

「あのスライムは力を使い果したので、そのルビックの中で眠っておる。力を取り戻したら起きるじゃろう。」

「そうですか。父はどうしているかご存知ありませんか?」

「あ奴はヒト族の捕虜になった。あ奴からお前はコキュートスへ帰れと伝言を預かっている。」

「私は父を助けに行きます。」

「無理だな。」

「どうしてそんな事言うんですか。」

「お前は戦う力も知恵もない。ただ単に殺されるか、慰み者になるのがせいぜいた。」


「とにかくお前はコキュートスは帰れ。お前のこのはシマムラに送らせる。」

「ヒトは魔国に入れないわ。」


 俺はルビックの力を使ってみせた。勇者はまぞくの戦士になっていた


「勇者の聖なる力は隠蔽と同時に封印される。その代わりルビックの力で身体強化される。あと魔術無効もプラスされる。」

 

 勇者の体が治り次第、すぐ出発という事になったが、昼くらいには全快していた。

 さすが勇者だね。




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