第14話 神殿

 神殿に着いたルビンとアリサは早速女神の像に向かった。

 女神アリピュア像はクリスタルのように透き通っており、中心辺りが薄く光っていた。薄暗い神殿の中でそこだけ浮き上がっているように見える。


 アリサはその美しさに暫く惚けたように見とれていた。


「暫く待っていてくれ。多分1時間くらいかかる。」

 ルビンが台座の一部を触るとその部分がオレンジ色に点灯した。そこに吸い込まれるようにルビンは消えて行った。


『ID確認。生体認証開始…85%以上の一致を確認。本人もしくは眷属と認めます。

 メニューを選んで下さい。』

「モードアクティブ。ウェポンセレクト無し。戦術支援システムオン。ワールドリンク接続。

 データ欠落チェック及びバックアップデータ読込。リブート開始。」


 ルビンは一旦初期状態のスライムモードに戻っていた。スライムボディは不規則に光を発し、見るものがいれば幻想的と感じたかも知れない。


『インストール開始…80%…60%…40%…20%…10%,8,7,6,5,4,3,2,1…完了。BIOSチェック。クリア。データ領域の一部を作業領域に設定。個体データとバックアップデータのマッチング開始。平行してリブート開始します。

 モードアクティブ。スタート…』


 小一時間後ルビンはリブート完了した。

(ふう、生き返った気分だぜ。後は情報だな。)


「情報の閲覧を申請する。」


『Bランクまでの閲覧を許可致します。Aランクの情報閲覧をご希望の場合は最高管理者の許可が必要です。』


「シャイナー教団の情報。閲覧可能範囲内で。」


 ルビンは司祭の格好をした男のデータを探したが見つからなかった。

(データに無いということは、裏の者か。)


 ルビンはデータを探るのを諦め、オプションユニットを見ることにした。


「ここで得られるオプションユニットを見せてくれ。」


 ルビンはオプションユニットのインデックスを真剣に見つめた。


「良いものあるじゃん。」


 ルビンは早速ダウンロードした。








「待たせたな。さあ行こうか。ココを迎えに行くぞ。」

 意気揚々と出てきたルビンをアリサは慌てて身体の影に隠した。


「スライムの格好は不味いから。」


「あっ。忘れてた。」

 ルビンは猫に変身した。


 幸い誰にも見られなかったようだ。


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