第13話 ルビンの事情

「改めて聞くけどあなたは何者なの?」


「俺の事を話すとなるとこの世界の成り立ちから話さなければならない。」


「そんな大層なものなの。」


「簡単に言うと情報思念体だ。」


「全然意味わかんないし。」


「創造主がこの世界を作った時…」


「スルーかよ。」


「冗談はさておき、俺のことを正確に伝えようとするとなかなか難しい。何にでも姿を変えれる特殊な存在とでも思ってくれ。で、俺の立ち位置としては、ココと認識している者のガーディアンだ。で、お前は何者なんだ。普通のホテルの従業員ではあり得ない事が多すぎるのだが。」


「あなたが普通のホテルの従業員の何を知ってるのよ。突っ込みたい所は色々あるけど置いといて、私の事なんだけど目的があってホテルで働いていたの。その目的は勇者と接触を持つということだったの。」


「勇者を誑かそうてか。」


「違うわよ。私の村は魔族とヒト族が共存していたわ。その村を勇者チームが急襲したの。その中に勇者本人は居なかったみたいだけど、聖女の指揮の下ヒトも魔族も区別無く抵抗する者は殺されたわ。抵抗しなかった者は拘束された。私はたまたま兄と狩に出ていたので難を逃れたわ。」


「復讐か?」


「いえ、真実を知りたいだけよ。でもその前に勇者は死んでしまった。」

「それで、少しでも手がかりを得たくてココを追いかけたということか。」


(なるほど。俺に忌避感を持たないのはそういう所なのかな。魔族と魔物は違うけど。魔族と共存していたら魔物も身近に居ただろうし。)ルビンは納得した。





「ところで、大切な話が一つある。」

「な、なによ。」

「肉を食いたい。そしてお前も肉を食え。」

「はぁー?何を言ってるの。」

「大切なことなんだ。」







「やはり肉が有ると再生が早いな。ここまでくれば後は自然治癒力でいけるだろう。これで俺はリソースをフルに使えるようになった。だけど機能をフルに使う為にエンハンスモードからリブートして通常モードにしなきゃいけない。だからサーバに接続できる所に行かないとダメなんだ。それが神殿なんだ。」


「何を言ってるのかさっぱりわからないけど、神殿に行けば良いのね。」



 俺達は神殿へ向かう為に物陰から歩き出した。

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