第13話 伝説の請負人?
私はコンビニ内で色々見て回っていた。簡単なチェックである。そこで不可思議な現象に気が付いた。店員バイトを呼び、訊ねた。
「これ、賞味期限がヤバい方を先にちゃんと出してる?」
「ヤバい方…ですか?」
「それ知らないなんてやばいよ!?賞味期限の古い方を前に出さなきゃ、いつまでたっても古い方が売れないでしょ?店員全員に周知して!」
「はい!」
店員はバックヤードに駆け込んだ。ふぅ…。
そろそろ休憩に入ろうかなとおもった時、戦士エールがよたりとコンビニに現れた。彼は炭酸水を買って飲むと、
「表で話そう」
と、言ってフラリと外に出て行った。なにかあったのかな?私はエプロンたけ脱いで彼の後を追った。
「どうしたの?」
私が戦士エールに話すと、
「知ってるとは思うがあのエルフ、請負人らしいぜ」
「請負人?」
「つまり誰かがカネを払って俺達のパーティーを育ててるのさ」
「それが何の意味があるの?」
「最短で俺達がレベルアップすれば、自分で狩りもできるし金も手に入る。そこまでなるまで育成してるってわけさ」
「誰が?」
「誰がっておまえのオーナーしかいないだろう!?金が欲しいのは何よりオーナーなんだし」
「なんだそうだったのか」
そんな事を話している時である。あのエルフがコンビニに入っていくのを目撃した。知られたか?いや、まだだろう。
「店長」
「はいエルフ様」
「あの弓矢、今度から2倍使うから発注してね」
「はいはい~」
そう言ってエルフはさっさと向こう側へ行ってしまった。
「店長と話してたね」
「きっと何かおぞましい密談でもしていたにちがいない」
「そんなわけないでしょ。それにしても…」
そんなに急ぐことってあるのかな?
「まあわかったけど、まだパーティーには言わない方がいいわよ」
「いや~ピピンあたりは勘がするどいからな~知っててもおかしくないぜ」
そういえばピピンは今日デートだったな。大丈夫だったのかしら。
「とにかく話半分にして聞いたから、戻るね」
「お、おう」
そう言って2人は解散した。例え請負人でも彼女に対する態度は変わらないから、別にいいかなと思った。それにしても、その情報をどこで手に入れたんだろう…?
ま、いっかと思い私はコンビニのエプロンを付けた。
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