第11話 生か死か

今日はがっつりダンジョンの日である。汚れて来たねずみ色のローブを着て、天然水オレンジを飲みながら待つ。最初に来たのはやはりピピンだった。

「風邪、大丈夫なの?」

「もう治ったっす。さてコーヒーミルク、コーヒーミルク」

ピピンが大好きなコーヒーミルクを取ろとした時…

「あれ!?ない!?」

行ってみると確かにない。カナは発注係を呼んだ。

「少なくなってきたら発注かけるっていったでしょ?入りきらない分はバックヤードに置いておくんだから」

「すいません…」

「まあバナナミルクでもいいす」

「ごめんねピピン君」

「いやー別にいいっすよ」

それから戦士のエールとヒーラーのレミリアがやってきた。

「炭酸水いただくぜ」

エールはいつも炭酸水で目を覚ましている。

「わたしはお腹がすいているのでパンを食べますわ」

レミリアはパンを食べるようだ。

最後に例のハイエルフがやってきた。

「弓矢を買うから皆矢筒にいれなさい」

「人使いが荒いなぁ」

矢筒に矢を入れ、それぞれひっかけた。

「今日はレベル上げが遅いあななた達のために、作戦を用意したわ。それは生きるか死ぬか、正直わからない作戦…」

「生きるか死ぬか分からない作戦!?」

「そんな無茶な作戦立てんなよな!」

「私達はどんどんダンジョンを降りていく。それまでにカナがテレポを習得できたら生、できなかったら死」

「なんてぞんざいな作戦なんだ!」

「カナ、絶対テレポ取れよ!」

(とはいっても、もう少しだから大丈夫なんだけどね、てへっ)

「では2階まで行進!」

レミリアがトーチを照らす。人影が現れた。

「人影2!」

エルフが弓矢を2連射して沈ませる。

2階の階段が現れたので皆で降りていく。

「人影3!」

エルフが正確に3連射し、3人とも沈んでゆく。ピロリン!とそこでモニタが鳴った。

「覚えたか?」

「まだ…」

3階への階段が現わられた。皆3階へと歩を進める。

3階にもなると敵も強くなる。テレポを覚えるならこの階だろう。

「人影3!」

エルフが3連射する。だが1人死なない。しかも後ろからも2体現れた。

「挟まれたか!私はレアボスをやっつけるから、お前たちは後ろを頼む」

戦士エールは勢いで敵に盾をぶつけた。敵がよろけたところを一撃おみまいした。

私はファイアで応戦した。私のファイアもけっこうレベルが上がってきており、勢いが増した気がした。レミリアはトーチを維持している。ピピンは毒の吹き矢でデバフをかけた。エルフは4発目の発射で敵を倒した。エールが敵にとどめを刺し、戦闘は終わった。ピロリン!となったので調べてみると、見事テレポスキルを会得していた!

「よかったな」

「やった!」

「私はマップのほとんどを覚えているので安全だが、素人がテレポすると危険だ。必ず私がいる時にやるように。じゃあいくぞ」

テレポを使って1階前までやって来た。

「こりゃ楽だぜ」

「これで極端な話10階までいけるようになった。次は5階あたりで稼いでみるか」

「ちょ、5階は無理っすよー」

「とにかく打ち合わせておくように、では」

煙と共にエルフは消えてしまった。

「エルフは何か使命を背負っているような気がするんすけど」

「どんな使命?」

「それはわからないっすが、とにかく何か目的をはたそうとしてるんじゃないかっておもうんす」

「俺達をいじめてるだけだろ、じゃあな」

お金が着々と溜まってきている。みんなのコンビニ使用に期待しよう。

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