第2話 荒木優は下ネタが苦手なんです。

7/27(水)気温30度

・成瀬家午前7時

僕と彩希ねえは朝ごはんを食べていた。ちなみに今日の朝ごはんはご飯と焼き魚、そして僕の大好物のアサリのお味噌汁だ。

「おいしかった、ごちそうさまでした」

「お粗末様でした」

朝食はいつもお母さんが仕事に行く前に作ってくれている。お母さんは大体家を8時に出ていくので朝からバタバタしている。

・成瀬家午前8時

「彩希、あんたお友達が来るまでに部屋綺麗にしておきなさいよ」

「わかってるー」

「秋もちゃんと勉強しなさいよ」

「はーい、わかってまーす」

「じゃあ、行ってきます」

「「いってらっしゃーい」」

そうだった、そういえば今日は彩希ねえの友達が来るんだった。優さん?だっけ。なんか、思い出してよかったのか、よくなかったのかよくわからない。まあ、もしかしたらあんまり可愛くないという可能性も十分にある。そうだきっと今日来る優さんは可愛くない。そう信じよう。

「ねえ、彩希ねえ?」

「ん?」

「彩希ねえの友達っていつ来るの?」

「え、九時くらいに家に着くって言ってたけど」

「そうなんだ」

九時かあ、万が一のことに備えて今から一回部屋に戻って数発ヌいとくのもありだな。どうしようかなあ。

「そんなに優ちゃんのことが気になる?」

「べ、別にそんなことはないけど」

「あ!あんた昨日言ったこと覚えてるよね?」

「はい、覚えてます」

「ちなみに優ちゃん怒ると怖いって有名だから、ほんとに頼むからね」

それは確かにやばいな。優さんは怒らせないようにしよう。

「わかったよ、優さんは怒らせないようにするよ」

「もう、ほんとに頼むわよ」

「わかってるって」

「じゃあ私今から部屋片づけるから、あんたも優ちゃん来る前にヤることしっかりヤっときなさいよ」

「やることってなんだよ」

「とぼけんじゃないわよ、どうせあんたのことだから今から優ちゃん来るまでの間に一発ヌいとことか思ってたんじゃないの?」

なんでわかったんだよ、こいつエスパーかよ。

「一発じゃないよ、数発だよ!」

「はぁ、もう何発でもいいけど部屋隣同士なんだからエッチな動画とか見るのはいいけど念のためヘッドホンとかイヤホンしてみてよ?」

「見ないよ!」

「今更何を言っても無駄よ、あんたの昨日の行動から純粋で可愛い弟とは見てないから」

「うう」

「ほら、うなってないで性欲の強い方は速やかにお部屋で用を済ましてください」

そういうと彩希ねえは上に行ってしまった。そうそう、ちなみに僕の家は二階建てだ。一階にキッチン、リビング、客室、お風呂、トイレがある。二階には僕の部屋とその隣に彩希ねえの部屋、それともう一つトイレと寝室がある。寝室は最近は使われていないけど僕と彩希ねえが小さい頃はお母さんが寝室で僕たちを寝かしつけていたらしい。僕もそろそろ自分の部屋に戻ろう。ヌくかどうかは部屋に帰ってから考えればいいや。僕も階段を彩希ねえに続いて登り始めた。

「っ!」

彩希ねえ夏はいつも短パンとかだから下からのアングルだとパンツがギリギリ見える!今日の彩希ねえのパンツは真っ白か。それはそれでエロい。いや、何でもエロい。僕は鼻血と精子が出そうになるのを片方ずつ押さえつけながらゆっくりと部屋に戻った。

「ふう、危なかったあ」

彩希ねえのパンツ綺麗だったなあ。あのパンツが今手元にあるのならそのパンツを履いてパンツ越しにシコシコしながら射精するときも脱がずにそのまま彩希ねえのパンツをドロドロの精子まみれにしてみたいなあ、なんて思ってないからな。勘違いすんなよ?

「って、俺はまた何一人で喋ってるんだよ」

「もうこのままだと何回ヌいても絶対おさまらないやつだ」

「よし、もうこのことは忘れて勉強するか!」

・成瀬家午前9時

ピンポーン

ん、来たか?

「はーい、今出まーす」

ガチャ

「こんにちは」

「優ちゃんよく来たねえ!」

優さん可愛いのかな?いやいやそんなはずはない!

「優ちゃん、今日も可愛いねえ!」

僕の聞き間違えだろうか?もしかして今彩希ねえ可愛いって言った?

「冗談はやめてくださいよ」

「えー、冗談じゃないって!」

「マジで可愛いって」

「そ、それはどうもありがとうございます」

「ま、とりあえずリビング行こ!」

「外暑かったでしょ?」

「はい」

「リビングならエアコンついてて涼しいし、行こ行こ!」

「では、お邪魔します」

どうしよう、見に行きたいなあ。どっちにしろ喉乾いてたから下に飲み物とりに行こう思ってたとこだしちょうどいいと言えばちょうどいいか。一回深呼吸してから僕は階段を下りた。そして僕はリビングの前で止まった。なぜかというと話し声が聞こえてしまったからだ。正直話の内容なんてどうでもいい。問題なのは声だ。なんだあの声、クールなお姉さん系といったところか。落ち着け落ち着け、もう一回聞こえないように深呼吸して、いざ!僕はリビングの扉を開けた。

「ん?あの方はあなたの弟さんかしら?」

「あーそうそう、秋葉っていうの、今高校三年生で受験生なんだよねえ」

「そうなの、秋葉君こんにちは」

「こ、こんにちは」

「秋、あんた何しに来たのよ」

「む、麦茶とりに」

「あーはいはい」

僕は慌てて冷蔵庫を開けすぐに麦茶をコップに注ぎ氷を入れる予定だったがそんなことも忘れて自分の部屋に戻った。

ガチャ。

「はあ、やっと部屋に戻ってこれた」

ドクン、ドクン、ドクン。

やばい、何回深呼吸しても心臓が落ち着かない。ってか優さん可愛すぎだろ。身長はおそらく170はあるだろう。足長いし、胸は、、、まあ、彩希ねえが異常なだけか。けど優さん顔すごい整ってたなあ。男装とかしたら絶対モテるんだろうな。男装しなくても絶対モテるんだろうけど。あのクールな顔に精子ぶっぱなしたいなあ。けど優さん下ネタ苦手って言ってたしな。

コンコン。

「秋ーちょっと下来てくれる?」

え、なんだろ。僕なんかやったかな?どうせ勉強も手につかなかったし。

ガチャ。扉を開けると相変わらずラフな格好の彩希ねえがいた。僕は彩希ねえの言う通り下に降りて行った。リビングの扉を開けると熱心に勉強している優さんの姿があった。

「彩希ねえ、僕は何のために呼ばれたの?」

「ふふふ、それは」

なんか、嫌な予感が

「今からお姉ちゃん少しだけ買い物行かなくちゃいけなくなっちゃったから~」

「もしかして」

「そう、お姉ちゃんが帰ってくるまで優ちゃんと一緒にお勉強してて」

「やっぱり」

これはラッキーなのだろうか。アレが大きくならないように気を付けよう。

「じゃあ、そういうわけでお姉ちゃんちょっと買い物行ってくるから」

「彩希ねえは何買いに行くの?」

「お母さんが、今日帰り遅くなるみたいだから買い出し頼まれちゃったからさ」

「あーそういうことか」

「じゃ、行ってくるねえ」

「いってらっしゃい」

シーン。

全然集中できん!この沈黙逆に気になるし、優さんめちゃくちゃ美人だし。あの声もう一回聞きたいなあ。

「あ、あの」

「ん?どうかしたかしら」

「彩希ねえとは仲良いんですか?」

「うーん、そうね特別仲良しというほどではないと思うのだけれど、まあ普通ね」

「そうなんですか」

「あっ」

「どうかしましたか?」

「いえ何も、ないです」

「そうですか」

危ない危ない、あの声癖になる。声聞くだけで精子出そうになるとかはたから見たら完全に変態でしょ。

「秋葉君」

「は、ひゃいっ!」

思わず声が裏返ってしまった。

「ふふっ、秋葉君の顔といい、返事といい可愛いですね」

「あ、え、今なんと?」

え、今僕優さんに可愛いって言われた?まさかそんなことは、、ないな。聞き間違えだな。もう僕ってたまにこういうことあるんだからほんと困っちゃう。

「秋葉君のことが可愛いと言いましたけど」

聞き間違えじゃないんかい!現実かこれは!?

「あ、ありがとうございます」

「照れてる秋葉君も可愛いですね」

優さんは僕に笑いかけながらそう言った。笑った顔可愛すぎる。やばい、理性飛ぶ。

「あ、あの、べ、勉強やりましょう!」

「そ、そうですね」

優さんもなぜか少し恥ずかしそうに言った。

数分後。

「優さんここの問題なんですけど」

「ここはこの公式の応用なので、、、」

「わかりました!」

「優さんの説明めちゃくちゃわかりやすいですね!」

「そう?それならよかったわ」

ガチャ。

「ただいまー」

「あっ彩希ねえ帰ってきた、おかえりなさい!」

「私がいない間優ちゃんと仲良くやってた?」

「うん!優さん彩希ねえよりもめちゃくちゃわかりやすく教えてくれた!」

「そう、私よりもって言葉が余計だけど」

「まあ、仲良くやってるようで安心したわ」

「優ちゃーん!私がいなくて寂しかったよねえ、よしよししてあげよっか?」

「なんか彩希さん怖いです」

「怖いだなんて失礼な」

「そうそう、秋に迷惑かけられたりしてないよね?」

「いえ、特に」

「とっても可愛いのね、秋葉君は」

「そう?生意気なだけよ」

「エロざるだし、実の姉に欲情するし」

「え」

場が凍った。僕はすべてが終わったと思った。

「エ、エロざるというのはなぜそのように呼ばれているのでしょうか?」

「あーあのね、」

「ちょっと待った!その話だけは勘弁して、、」

「あんたは黙ってて」

「、、、はい」

「んで、なんでエロざるって呼ばれているかっていうと私と勉強してるときとかよく私の胸の谷間見ようとするし、私がお風呂入ってるときにこっそり私のブラとかパンツ盗んで匂い嗅いでるし、まあこういうことが重なって秋はエロざるって呼ばれてるってわけ」

「へ、へえ、そ、そうなんでしゅ、なんですね」

優さん明らかに動揺してるな。そりゃあ無理もないよな、さっきまで自分が可愛いと思っていた人が雄全開のエロざるなんだからなあ。こればかりは否定したくても否定できないなあ。

「だから、私としては家に二人だけにして買い物行くのは迷ったんだけどダッシュで済ませれば大丈夫かなあと思ってね」

「そしたら意外と仲良くやってたから安心した」

「さ、彩希さん、ヤ、ヤってただなんて、私はまだ何も」

「え?」

「え?」

僕も彩希ねえもわけがわからなかった。急にどうしたのだろうか。顔も真っ赤だし、なんかもじもじしてるし。あっ、、もしかして。いや、まさかね、うん、、、うん。

「私別に秋葉君にそんないかがわしいことなんてされていません!」

「優ちゃん?」

「いや、だから、私は決して秋葉君に目隠しされて肉棒を口に突っ込まれたり、ましてや私のヴァギナに突っ込まれて無理やり中に出されたとか、全然そんなことないので!」

やっぱりそっちかい!もしかして優さん隠れ変態的なやつでは?しかもМ?目隠しとか言ってたしな。

「ちょ、ちょっと落ち着いて優ちゃん!」

優さんは落ち着いて普通に立っていることも座っていることもできないのか、ずっとリビングをバタバタと走り回っている。

「あっそろそろ、塾の時間でしたわ、きょ、今日はこの辺でし、しちゅれいしゅ、しゅるわ」

優さんは荷物をまとめるとすぐにリビングの扉へ向かう

「あっ危ない!」

バコーン!

「優ちゃん、大丈夫!?」

優さんは閉じてあるリビングの扉に激突してしまった。

「だ、大丈夫でしゅ!、お、お邪魔しました!」

バタンっ!

「彩希ねえ、優さん行っちゃったね」

「まさか優ちゃん下ネタ苦手かと思ってたら、ドМで妄想してる変態さんとはね」

「流石の私でも驚いたわ」

「いや、こっちの身にもなってくれよ」

「別にあんたなんてどうでもいいわよ」

「あ、はい」

「けど、なんで彩希ねえは優さんが下ネタ苦手だと思ってたの?」

「学校でさ、下ネタの話題になるといつもどっか行っちゃうし、それに自分でもそういう話は苦手って言ってたから」

「けど、今日仲良くやっていたの”やっていた”をなぜか頭の中で”ヤっていた”に変えてしまっていたと」

「そういうことっぽいわね」

なんか、思ってたよりも変態だったな。あのクール顔でドМか。犯したいなあ。

「今から優ちゃんにメール打っとこ、悪いことしちゃったな」

「彩希ねえよくやった」

「あんたねえ」

彩希ねえはため息混じりに言った

「ねえねえ、明日って誰か彩希ねえの友達来る?」

「え?、明日はねえ、、ちょっと待って確認する」

彩希ねえは予定を携帯のカレンダーで確認しはじめた。

「あ、明日来るわね」

「どんな子が来るの?」

「明日は、飛鳥ちゃんっていう子で、おっぱい大きい子だよ」

「そ、そうなの?」

「ちょっと、あんた鼻息急に荒くなりすぎ」

「うん、おっぱいは確かに大きいわね、私よりも大きいのは確実ね」

彩希ねえよりも大きいおっぱいなんてなかなかいないと思っていたけど、やはり巨乳には巨乳が集まるのか。いや、けど今日の優さんはまない、、。いや、やめておこう。

「あんた明日来る飛鳥ちゃんだけど、下ネタ大好きだからほんとに降りてくんな」

「え、けど麦茶飲みたいときはどうすれば、、、」

「その時は私を呼んでくれれば麦茶くらいあんたの部屋に届けに行くわよ」

くそ、そこまでして会わせたくないのか。飛鳥さん、彩希ねえよりもおっぱいデカいのか。揉みしだきてえ。

「わかったよ、そこまでして会わせたくないんだね」

「そうよ、飛鳥ちゃんとあんたがばったり会ったりでもしたら速攻で脱いでおっぱじめそうで怖いわ」

「僕はそれでも別に」

「あんたが良くても、私が駄目なの!」

「はい、すんません」

「じゃあ、明日は何があっても下に降りてこない!わかった?」

「わかりました」

「ほんとにほかの用事も私を呼んでくれればいいからね」

「はい」

「じゃあ、私今から優ちゃんにさっきのこと謝っとかないとだから」

「わかったよ」

彩希ねえはそういうと玄関からリビングに戻り、携帯でメールを打ち始めた。

僕もそろそろまた勉強するとしますか。優さんにまた教えて欲しいな。それと明日絶対に降りないようにしよ。まあ、身体が無意識に下に降りて行ってしまうかもしれないけど、そのときは彩希ねえも怒れないだろう。だって無意識なんだから。

さて、教えてもらったこと忘れないうちに勉強するか!僕は飛鳥さんと優さんのことを考えながら勉強をした。

全然捗らんっ!!








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る