爽やかな昼の日

 今日は河川敷の日差しが気持ちが良い。たまに吹く優しい風は自転車を漕ぐ私の身体を穏やかな心にさせてくれる。

 良い気分で煙草を吸いたくなり、胸のポケットに手をやり煙草の箱を出す。が、中身は無い。ハァ……。と無意識に小さな溜め息が出る。空箱を川に投げ込みペダルを漕ぐ。気分はまるでアニメの主人公で、優しい風は私の髪を靡かせてくれる。


「やぁ、今日も元気そうだね。頑張るんだよ! お兄さんがついてるからね!」


 毎日出会う帰宅途中の女子高生に挨拶をし、河川敷を出る。

 ああなんて良いことをしたんだろう。あの女子高生も爽やかな一日になるだろう。視界の端に何かが映った。。昨日はなかったはずの看板が置いてある。


『ポイ捨て禁止』『声掛け事案発生情報求む』


 変な人もいるものだ。と小さく心で呟き、さっきの女子高生に笑顔で手を振る。自転車の籠にあるレシートを河川敷に投げ捨て家に向かう。

 今日はなんて良い日なのだろう。

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