第3話

「そのとおーりって、ごめん、ちょっと黙るね。お母さん放送中に入ってきちゃダメって──え!? なんであんたがいるの!?」


「見た見た見たよね!? 顔が近いってそうじゃなくて画面見たね!? あ〜〜……ちょっと待ってて! 静かに! 待て!」


「ごめんなさい! 急用が入っちゃって放送ここで終わるねー。うん、なんでもないから大丈夫だよ〜。集まってもらってたのに、ほんっとごめんね。またきてね、ばいばーい」


「……さて、と。まず要件を聞きましょか。今日休んだ分の宿題と配布物ね。うん、ありがとう。風邪で休んでたんだけど、寝たらよくなったからつい配信を……っていうか、幼馴染とはいえ、勝手に部屋に入るのはよくないと思うけどね? 着替え中だったらどうするの」


「え、お母さんに許可もらった? なんか楽しそうにしてたってどんなトラブル期待してたのよ……で、見たのね」


「なんか視線上がってないけど、どしたの。ええ!? 白翼 あかねだとは思わなかった? なに、知ってるの……?」


「ふんふん、推しのVね。……嬉しいけどさ。目が怖いよ……? え、お願い事。私にしか頼めない? うん、なに?」


「白翼 あかねと通話したい? いやいや幼馴染特権も行き過ぎでは? わかってる? 私はVだよ」


「そんな庇護欲をそそる表情してもダメ。白翼 あかねはみんなのなんだから。一生のお願いって……こんなところで使うの? うー……はあ、わかったよ。ただし言いふらしたりしたらダメだからね。そこら辺、心配はしてないけどさ。え、もう帰るって!? とっとと白翼ちゃんと会話するんだって──私がここにっ、いるのにー!?」

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