第12話 物流

物流は私たちの暮らしにとってなくてはならないものです

スーパーやコンビニに商品が並ぶのも、

飲食店で飲食できるのも、

ガスや電気、ガソリンなどを使えるのも、

自宅に荷物が届いたり送れるのも、

すべて何割かは物流によって得られた恩恵です


世界で一番物流に貢献している乗り物は何でしょうか


台数や回数でいえば

ダントツでトラックが最大です


運ぶ物の重量でいえば

船舶が1位です


速さで貢献しているのは

間違いなく飛行機です


乗り物だけではなく、その間に何人も、何百人も、何千人もの人の手でリレー式にものが運ばれています

そこで使われる燃料(重油、ガソリン、軽油、ジェット燃料、電気)や

支払われる人件費も非常に膨大な費用になります


今でこそ日本全国で基本的には不自由することなく物流が機能していますが

世界を見渡せば、そのような物流が整備されている国や地域は、世界の至極一部だけです


地球上では

まだ数十キロ、数百キロを徒歩で物を運んでいる国や地域があります

ラマやラクダ、ロバ、馬、水牛などの動物を使役して

荷物を運搬している地域もいまだまだ残っています


また、未来的な話に見えるかもしれませんが、

すでに高速飛行ドローンによって物流の一部(輸血用の血液の輸送)が

人の手を離れた地域(アフリカの一部地域)も存在しています


ようするに

物流にどのような手段を選択できるかは

世界の発展状況と、

その国や地域の経済水準や技術水準に大きく影響されて変わってくるのです



~創作においての物流~

創作作品において、例えば転送魔法や転送装置が発達している場合は

転送ができることで様々は他の技術も発展しています

物の完全な転送ができれば、人の転送もできるはずなので

転送ができる前提の世界観での人のプライバシーや権利、

価値観や荷物の形状、服装なども大きく変わってきているはずです


船がないシルクロード一択だった陸の物流時代や

飛行機が登場していない大航海時代、

車が発達したモータリゼーションの時代、

大型の飛行機による物資の移動が確立された時代、

スチームパンクのような飛行船が発達した時代、

高度に公共移動手段が発達して自家用の移動手段が必要なくなった近未来的な時代、

転送装置のある未来のどこかの時代、

宇宙船が普通に行き交う時代、

移動や転送の魔法によって馬や船、飛行機が必要なくなった時代、


どこの時代を描くかによって、

人々の生活はその時代に応じて変化しています


登場人物たちやその他の勢力が手に入れることができるものは

物流の発展度合いによって決まってきます


中国で手で持てる筒状の銃が初めて登場したのは12世紀ですが

西洋で盛んに銃が使われるようになったのは15世紀です

その銃が日本で主力になったのは16世紀で

15世紀以降の物流の主流が船になったことで

物や技術の波及が急激に早くなっています


時の戦国武将たちや大航海時代を駆け抜けた豪商たちなどのように

登場人物がその物流の一端を担うのか

敵方の人物にその長があるのかによって

物流の重要性を物語で引き立たせることも可能でしょう

物流にはコストがかかるので、世界観にも多大に影響してきます


なんでも低コスト低リスクで手に入るのは現代の日本ならではですが

世界の情勢が必ずしもその価値観だけではないことを知っていると

作品に投影される世界観にリアルさを加味できるのではないでしょうか

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