一、一人分多い

「少し気になる事があってね、一応お知らせします」

と主催者の方からメールがきました。


西荻窪の松庵で怪談噺の会をさせていただいたときのことです。

前半は私が落語二席、後半は作家の加門七海先生とのリモートで対談という会。


落語会とは違う怪談の会なので事前に三遊亭圓朝師匠とお岩様のお墓にお参りに

行き、当日もお客様とお手伝いの方にお清めの塩を配りました。


後半の加門先生との対談が始まった途端に電気がチカチカしたり電話がいきなりなったりとSF(少し不思議)なことはありましたが、全体的には無事に終わり、みんなで楽しかったね、トラブル無くてよかったねとお開きになりました。


ところが「何度計算してもお金が一人分多い」

翌日主催者の方からと連絡が来ました。


ご予約のお客様の人数、お手伝いの方の数とお配りした塩の数はぴったりなのに

入場料一人分のお金が多い。

全てのお客様に連絡しましたがお釣りの渡し忘れも無かったそうです。


じゃあ怪談の会だからひょっとしたら幽霊が見にきてくれたのかな・・・


いやいや幽霊だけにはお足は出さない。




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