第28話⁂山根の出生の秘密⁂


 山根の出生の秘密を解くカギ。

 それは…初枝と和尚さんの関係が、いかなるものだったのか?

 

 更には三ツ矢議員と『クラブ🥀レミ』ママの関係はいかなるものなのか?

 この2組の関係を紐解く必要がある。


 それでは最初に初枝の軌跡を辿って行こう。

 

 全くもって、気の毒としか言いようのない何とも妖艶で美しい初枝だったのだが………。

 悪魔の手術と称された、ロボトミー手術を有無も言わせぬ形で施されたのだが、その後ピタリと姿を消してしまった初枝。

 全く哀れだ。

 

 ロボトミー手術を受けた精神障害者の病状。

 69%改善、25%変化がない、2%悪化、4%で死亡。


 また、著効8%、良好11%、軽度改善27%、微力改善27%、不変20%、悪化4%、死亡3%。


 この様な結果から、術後相当の期間を経た後の印象では、以前と比較して、強迫神経症(不安感や恐怖心をあおる非現実的な事柄や状況が繰り返し頭に浮かぶ)や、危険な精神病質の状態の時と比較して、術後相当の期間を経たロボトミーを受けた人の人格が、安定して改善されている人も少なからず見られたと言う調査結果が報告されている。術後相当の期間を経た後の印象では、少なく共人格変化の実際的な、社会的の価値はそれ程低くない様に思われる。



 更には「術後の自覚症状を見ても人道的にも、このロボトミ―手術は許されて良いと思う」

 その様な声も上がっている。


 1975年に日本精神神経学会では、ロボトミー手術は自主規制された。

 しかし、厚生労働省はロボトミー手術を禁止しておらず、保険適応となっている。  裁判所の判例でも「精神障害に対する最後の手術」という理由から、現在でも合法的な治療法であると言われている。


 果たして初枝は今現在本当に殺害されているのか?

 それとも………どこかで生存しているのか?

 

 それもロボトミー手術を受けてから相当期間立って居るので、もし生きていればの話ではあるが、もう幾分高齢では有るが、案外元の妖艶な男を魅了した美しい初枝に戻っているかも知れない。

 あくまでも理想論ではあるが………?

 


 ◆▽◆

 それでは和尚さんは本当に気の触れた初枝を、善意を口実に寺の茶室に短期間住まわせては、悪態の限りを尽くしていたのだろうか?


 度々女中が辞めるので致し方なく、気のふれた初枝では1人で生活出来ないのと、女盛りの美しい初枝を1人で置いて置けば危険とという理由から、1人身の自宅から寺の茶室で度々お世話になって居た。


 すると………やはり和尚さんが、説法だと言ってこんな夜遅くに初枝の茶室に向かっている。

 何もこんな夜遅くにとは思うが、余計に怪しまれるではないか?

 それでも…夜遅くなるのには理由がある。


 和尚さんは仕事終わりにいつも本堂で、読経して寝る習慣が付いていた。

 それは……より経典を理解する事と練習も兼ねての日課になって居る。


 また、昼は色んな行事が有るので、初枝1人の為にわざわざ時間を割く事は出来ない。この様な諸々の理由から夜遅くなるのだった。

 

 気の触れた初枝を心配しての事だが、それでもこんな夜遅くに行くなど以ての外。

 

 修行僧達が、この手の掛かっる初枝の身の回りの手伝いをしているので、さっきまで暴れていたのが噓のように、この日もやっとの事、穏やかにお茶を飲んでくつろいでいる。


「どうだね?初枝さん容態の方は?」

 ねぎらいの言葉をかけ、その場に座る和尚さん。


 するとやはりいつもの幻覚が?

「キャ————ッ!お手伝いのトヨが、私を殺そうとして刃物をふるって来る」


「つい最近辞めたお手伝いさんの事かい?もう辞めた人はこんな所には居ないさ!」


「ああああああ誰かが殺しにやって来た!キャ————ッ!やっぱりトヨ?」


「何を言っているんだね?」


「嗚呼ヘビが身体に巻き付いて来る。コッコ怖い!」


「初枝さんいい加減にしたまえ!」


 余りにも暴れるので、初枝を落ち着かせるためにも、思い切り抱きしめている。


 以前ならまた別だが、和尚さんも幾ら美人とはいえ、幻覚に惑わされ”キャ—!キャ—!”暴れ回る、目の焦点の合わない、自分で何も出来なくなってしまった、きちがいを相手にするほど落ちぶれてはいない。

 只々善意で何とか助けようと思っての事なのだ。

 

 初枝が余り大暴れするので、外で待機していた修行僧の一人が茶室の側で待機している。


「初枝さん経典を読唱したら気持ちが落ち着きます。お釈迦様の大切な教えをの読み聞かせる事で心が穏やかになっるでしょう」


 こうして読経していると経典の教えが効いたのか、初枝はいつの間にか茶室で横になりスヤスヤ眠りに付いた。


 {もうこれで安心}

「オイ!そこにいる僧侶!初枝殿の布団を敷いてやってくれ」

 そう言って和尚さんは茶室を出て行った。


「ハイ!分かりました。直ぐに!」

 急いで茶室に入る僧侶。


 布団を敷き終わり布団に寝かせつけようと初枝に目をやると、何と着物の裾がひらりとまくり上がっているではないか?

 やはり統合失調症の影響で傍若無人に動き回るので着物が、乱れて手に負えな状態になって居る。


 慌てて乱れた着物を直して布団に入れてやると、今度は胸元が大きく開いて綺麗で 豊満な胸元が目に飛び込んで来た。


 ダメだダメだと思いながらも興奮が抑えられない僧侶。

 そして…神仏に帰依する僧侶とも有ろう者が、1番あってはならない強姦を仕出かそうとしている。


「ああああ~何ともキレイな身体だなあ~………アッダメだ!ダメだ!俺はなんて事を……… アアアアアアあああ」

我慢が出来なくなり、乳房を思い切り掴み、やがて何ともグチな事に、興奮が抑えられない僧侶は尚も手を這いつくばらせ、下に手を伸ばして下腹部に……どのくらい経っただろうか?そして何とも形の良い綺麗な唇に吸い付いて💋舌を入れた。


 疲れ切って眠り付いていた初枝が、目を覚まして癇に障ったのか、険しい顔になり、ガブリと僧侶の舌を噛みちぎった。


「ギャ————ッ!わああああああああああ」

 真っ赤な血が噴き出て、僧侶はもう気持ち良いどころの騒ぎではない、慌てて逃げて行ってしまった。


 何とも不らちな事を?

 この様な事もあり、初枝の統合失調症の病を理由に、いろんな男性が初枝の上を通り過ぎて行った事になる。

 だから……山根がもしも?初枝の子供であれば、父親判明にはもう少し時間がかかりそうだ。



 それから……三ツ矢の思いが強すぎて初枝はこの様な事になってしまったのに、当の本人三ツ矢は初枝の現状を知っているのだろうか?

 そう言えばあの後、三ツ矢にもいろんな出来事がありそれ所では無かった。

  

 それから……『クラブ🥀レミ』のママにもとんでもない過去が判明してくる 


 その為にはまず、三ツ矢議員のその後を掘り下げて、いかにして『クラブ🥀レミ』のママと知り合ったのか?

 更には素性のハッキリ分からない『クラブ🥀レミ』のママの正体を調べる必要がある。

 そこには予期しない現実が?













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